「春になる祭り」大学生、運営参加で活性化へ 島ナビ隊の多世代交流イベント 五島・奈留

「モルック」を体験する子どもと運営スタッフの学生(左)=五島市奈留町

 長崎県五島市奈留町の一般社団法人「奈留しまなび舎(や)」は、県内外の大学生が運営に参加した多世代の交流イベント「春になる祭り」を同町で開いた。企画した市地域おこし協力隊の「島ナビ隊」は、大学生に奈留島で探求学習などで活動してもらうことで、関係人口の創出や島の活性化を目指す。
 島ナビ隊は、着任2年目の梅村功太郎さん(24)=埼玉県出身=ら3人。離島留学生の学生寮の運営や小中学生の学習支援、地域住民との多世代交流事業に取り組んでいる。
 島内に少ない大学生世代を受け入れて交流を広げようと、2月28日~3月5日に地域探求プロジェクト「奈留プログラム」を実施した。島内で活動している大正大(東京)と、県立大のゼミ生ら計約20人が参加。住民とお茶を飲みながら語るコミュニティーカフェを4地区で開いたり、県立奈留高生と交流したりした。
 4日に開いた「春になる祭り」もこの一環。会場の旧ターミナルには飲食や雑貨販売などの出店が並び、親子連れなどでにぎわった。学生たちは運営スタッフとして、佐世保こま回し体験や、木の棒を倒すスポーツ「モルック」のブースでルールを教えるなどして、来場者を楽しませた。奈留高生ら向けの大学生活相談会も開いた。
 初めて奈留島を訪れた県立大地域創造学部の松山侑樹さん(23)は「実際に来て分かる魅力はたくさんある。課題は交通インフラ」と話した。
 島ナビ隊は、大学生の受け入れを新たな活動の柱と位置付けており、探求学習や観光での来島や、将来的な移住につなげることを目指している。梅村さんは「奈留島について知るきっかけになれば。継続的に大学生が来てもらえるよう魅力ある体験を企画していきたい」と展望を語った。

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