【台湾】工作機械団体トップ、24年業況はほぼ変わらず[製造]

TMBAは23日、台湾国際工具機展の開幕前の記者会見を開いた=台北(NNA撮影)

台湾の工作機械団体、台湾工具機・零組件工業同業公会(TMBA)の陳伯佳理事長は23日、2024年の工作機械産業の業況について「23年とほぼ変わらない」との見通しを示した。TMBAは24年の台湾工作機械の生産額は前年から小幅な伸びにとどまるとみており、状況を慎重視しているとした。

3月に台北市で開かれる工作機械関連の見本市「台湾国際工具機展(TMTS)」を前に記者会見を開き、24年の産業見通しなどを発表した。

陳氏は、今年は米国で大統領選があり、景気政策が不透明である一方、一部の国・地域は新たな展望がみられると指摘。とりわけインド市場は、内需と外需ともに台湾企業が投資をする絶好のチャンスがあるとの見方。ベトナムやタイでは自動車産業にとって生産の新たなチャンスが生まれていると説明した。

TMBAが今月発表した台湾工作機械の23年通年の輸出額は前年比14.0%減の25億9,944万米ドル(約3,834億円)だった。TMBAは、新型コロナウイルスの感染拡大前は、地政学的な情勢が安定し、コストも相対的に低く、グローバル化が加速化していたものの、コロナ後は「ブラックスワン」の出現や世界経済の分断、サプライチェーン(供給網)のボトルネック、気候変動、人口ピラミッドの変化が物価の安定に不利に働き、需要の抑制につながっていると説明した。

23年の台湾工作機械の生産額予測は33億1,000万米ドル。製造業の景気が衰退する中、市場の需要縮小が顕著だったと分析した。24年の生産額は33億7,000万米ドルと予想している。

TMTSは3月27~31日に台北南港展覧館1館と2館で開催される。TMBAは605社の3,350ブースの出展を見込んでいる。来場人数は5万5,000人に上るとみている。同見本市では「デジタルトランスフォーメーション(DX)」「グリーントランスフォーメーション(GX)」を二大テーマとしている。

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