私鉄で全国最多…警報機や遮断機ない「第4種踏切」85カ所 秩父鉄道が緊急対策、約半数に音声再生機設置へ

「第4種踏切」に音声再生機、43カ所追加 秩父鉄道

 秩父鉄道(本社・埼玉県熊谷市)は25日、警報器や遮断器のない「第4種踏切」の安全対策として、緊急追加対策を実施すると発表した。安全対策が十分ではない43カ所について順次、人が近づくと注意喚起のアナウンスが流れる人感音声再生機を新設する。費用は1カ所約15万円。

 秩父鉄道は私鉄で全国最多となる85カ所の第4種踏切がある。このうち通行者側からの見通しが悪いと考えられる場所などの40カ所について、人感音声再生機を設置。残り43カ所についても整備する。より安全性が向上するほかのシステムの情報収集に努め、導入を検討するほか、踏切があることを示す警標も引き続き点検、更新していく。

 第4種踏切は引き続き廃止を原則とし、道路管理者などとの協議を進める。第4種踏切から警報器と遮断機のある「第1種踏切」への転換に係る初期投資費用と維持管理費用の負担軽減なども関係者と協議していく。

 第4種踏切を巡っては安全性が問題視されており、群馬県高崎市の上信電鉄の第4種踏切では6日、小学4年の女児が列車にはねられて死亡する事故が発生。同市や同県富岡市は第4種踏切を廃止する方針を発表している。

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