長崎ヴェルカ ホーム最終戦快勝 戦う集団 真価示した一戦 バスケB1

【長崎ヴェルカ―大阪】第2クオーター6分、ヴェルカの狩俣がドライブインからシュートを決めて28点目=佐世保市体育文化館

 バスケットボール男子のBリーグ1部(B1)第35節最終日は28日、佐世保市体育文化館などで12試合が行われ、長崎ヴェルカは同じ西地区の大阪に84-66で快勝した。通算25勝33敗で西地区6位。
 ヴェルカは18-19で入った第2クオーターに狩俣、馬場らのドライブで得点を重ね、主導権を握ったかに見えたが、大阪も積極的な守備で応戦。先行しても点差を広げられない時間が続き、37-37の残り1秒に狩俣が3点シュートを決め、何とか3点リードして折り返した。
 後半は一転、攻守両面でギアを上げたヴェルカペース。47-44の4分から、ブラントリーのドライブなどで13点連取。ボンズらのゴール下での好守もあり、第3クオーターの大阪の得点を9点に抑えた。17点リードで入った第4クオーターも勢いは止まらず、チャンの3点シュートやボンズのゴール下などで加点。9分のボンズの3点シュートで、この日最大となる22点差をつけて勝利を決定づけた。
 最終節の第36節は5月3~6日、各地で24試合を実施。ヴェルカは5、6日にアウェーで京都と対戦する。

◎戦う集団 真価示した一戦

 チームの真価を示したホーム最終戦になった。長崎ヴェルカは大阪に84-66で快勝。激しい守備からリズムをつくり、素早い攻撃で得点を重ねていく。ヴェルカらしい勝利に、3113人のファンが詰めかけた会場は揺れた。

【長崎ヴェルカ―大阪】第2クオーター7分、ヴェルカのエヴァンスがスチールからシュートを決めて30点目=佐世保市体育文化館

 大阪との第1戦は中盤に流れを失って2点差で惜敗。そんな前夜の反省も込めて、この日は集中を切らさなかった。序盤から激しくぶつかり、コート上の5人が連動して次々に加点。点差を広げても足を止めず、わずかな隙さえ見せない。「ファンに勝利を届けてホーム最終戦を終わりたいという全員の強い気持ちが、きょうのパフォーマンスにつながった」。前田監督の言葉が勝因を物語っていた。
 第31節にチャンピオンシップ進出、目標にしてきた「30勝」への可能性が消滅。モチベーションの維持が難しい中で、もう一度戦う集団になれたのは「ヴェルカの存在価値は勝敗だけではない。バスケットを通じてファンの日常を豊かにしたい」(前田監督)という共通の思いが、選手やスタッフにあったからだ。追いつかれても下を向かず、最後まで闘争心あふれるプレーを続ける。ヴェルカが貫き通してきた姿勢の集大成が、22点差の快勝として実を結んだ。
 同じくB1昇格組の佐賀が29勝しているが、通算25勝は昨季までのB1初年度クラブの最多勝利数に並ぶ記録。5月5、6日の最終節に向けて、主将の狩俣が仲間たちの思いを代弁した。「このチームが1年間積み上げてきたものを出し切りたい」 

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