佐世保・宮島市長 「地域の満足度を高める」 住民と施策作りへ 【インタビュー】

「地域の皆さん方と施策を作っていきたい」と話す宮島市長=佐世保市役所

 宮島市長は、就任1年を迎えるのを前に長崎新聞のインタビューに応じた。アジェンダについては、実績が見えにくかったことを認めつつ「ニーズに沿った形にしないといけない。地域の満足度を高めることを追求していきたい」と語った。
 アジェンダは、市内でも特に人口減少が著しい合併6町の課題にいかに取り組むかの決意を示したものだ。昨年の市長選前から地域の人たちと接する中で「佐世保市に合併して本当に良くなったのか、との疑問の声を聞いた」のが出発点。エリアを限定した“公約”は珍しいが「地域の皆さんに個別の課題を示し、町づくりの方向性を示す必要性を感じた」と狙いを語った。
 ただ就任1年目に実行した項目が見えにくいとの指摘もある。市長は、2023年度の当初予算編成後に就任したことを踏まえ「年度途中からの就任で、補正予算を付けて取り組むことは難しかった」と説明。就任2年目となる24年度は、江迎川の防災機能を高めるための計画を立てるほか、福井洞窟の国特別史跡指定を目指して啓発事業などを予算化したとし「今年中には少しずつ見えてくると思う」と述べた。
 今後の進め方については「アジェンダを元に肉付けするなどし、地域の皆さん方と施策を作っていきたい。各町内の皆さんの安心安全を守り、住み続けたいと思っていただけるよう検討していく」とした。
 一方、99項目の公約については、67項目を予算化したと強調。就任1年目の成果として「会合などを通して市民と触れ合う機会を多く持てた」と述べた。自己採点については「時期尚早」とした。

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