世界で結果を残すアジア人に喜び 世界女王・北口榛花、韓国選手の存在に「ウさんが来てくれた」【セイコーGGP】

セイコーGGPの前日会見で笑顔を見せた北口榛花【写真:浜田洋平】

19日セイコーGGPへ会見

陸上のセイコーゴールデングランプリ(GGP)が19日、東京・国立競技場で行われる。18日は会場で一部選手が会見。昨年ブダペスト世界陸上女子やり投げ金メダルの北口榛花(JAL)は、同じアジア人の世界的選手の来日を喜び、パリ五輪に向けて弾みの大会にすることを誓った。

世界女王の意気込みはちょっぴり控えめだった。北口は「今季に入って満足に体が動いている試合はない」と吐露。「明日は満足に動ければと思っているので、勝負も大事ですが、今のコンディションをチェックできる試合にしたい」と位置づけた。

今季は4月末の世界最高峰ダイヤモンドリーグ(DL)蘇州大会で62メートル97をマークして優勝。1勝でも快挙とされたDLで通算7勝目を挙げた。5月5日の水戸招待は61メートル83で2連勝。流石の地力の高さを誇る。

この日の会見には、22年オレゴン世界陸上男子走り高跳び銀メダリストのウ・サンヒョク(韓国)が隣りに。アジア人として世界レベルで活躍するには、高い壁がある陸上。北口は韓国メディアからその難しさと重圧について問われた。

「私自身、たぶん久しぶりに出てきたアジア選手。投てき種目で新しい名前だと思うけど、凄くたくさんの方が応援してくださって力になっています。陸上選手でアジア選手が大きな大会にいることが少ないので、こうしてウさんが来てくれたのが凄く嬉しい(笑)。会うたびにちょっと嬉しい気持ちになっています。

とても力にもなりますし、自分も頑張りたいって勝手に思える目標だと思って。なかなかアジア人で1位になれる種目じゃなかったと思うけど、これからもアジア人の枠を少しでも越えられるように頑張っていきたいです」

持ち前の笑顔を咲かせた世界女王。今大会はやり投げ大国チェコのデービッド・セケラックコーチも来日した。北口は「とにかく『コンディショニング第一』と伝えた。自分の体に少しでも近づけるようにしてきました。水戸招待よりは良い状態に持ってこられている」と手応えを口にした。大目標はパリ五輪金メダル。どこまで状態を上げるか注目される。

セイコーGGPの前日会見に出席したウルタド、北口、ウ・サンヒョク(左から)【写真:浜田洋平】

ウ・サンヒョク「東京五輪がきっかけで…」 女子やり投げ銀ウルタド「キタグチ選手の母国で戦えて誇り」

▽男子走り高跳びウ・サンヒョク(韓国、22年オレゴン世界陸上銀メダリスト)

「昨年に引き続き参加できて嬉しいです。今年は8月にパリ五輪があるので、そこでベストを出せるように頑張りたい。3年前に東京五輪にも参加しました。その時に良い成績を私なりに出したと思う。東京五輪がきっかけになり、その前後の変化は大きいのを把握しています。五輪前は怪我も結構あった。東京五輪を経験してから怪我はほとんどないです。

あとは計画的なトレーニングも役立って、2メートル30以上の記録を出している。東京五輪がきっかけになったのが正直なところです。同じ競技場でできることにワクワクしています。パリ五輪への成績も順調にクリアしているので、東京五輪で頑張ったことを思い出しながら、明日は最大のベストを出したい。パリ五輪では参加選手としてはベスト、金メダルを獲るために頑張りたい」

▽女子やり投げ・フロル デニス ルイス ウルタド(コロンビア、23年ブダペスト世界陸上銀メダル)

「良い結果を出して、パリ五輪に繋がるような大会にしたい。キタグチ選手の国である日本に来られて非常に誇りに感じています。パリ五輪に繋げたい気持ちが強いけど、キタグチ選手の母国で戦えて誇り。もともと日本で試合をしたいという夢が実現できて嬉しく思います。

先週、ブラジルで私の66メートル70の自己記録を超えました。コーチと技術面の練習をして記録を更新できた。数か月前に怪我をしたことでフィジカル面の練習もとてもやりました。ただ、特に技術面を重点的にしたことが自己記録更新に繋がったと思っています」

THE ANSWER編集部

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