上司に「あなた、僕のこと嫌いですよね?」と言われ1年で退職、人事に記録を郵送してみるも……【後編】

画像はイメージ

直属の上司からハラスメントのターゲットにされたら、まさに地獄だ。東京都に住む50代後半の女性は、飲食店でパート勤務を始めたものの、3か月ほどで店長から無視されるようになった。

少しでもミスをすれば体格のいい高圧的な店長に何度も叱責され、仕事終わりに雑談していただけで「話をするな。俺の悪口言ってんだろ?」と注意されたという。

そんなパワハラ店長のもとで1年間働き続けたある日、店長と個人面談をする機会があった。

個人面談で「話すのも嫌になって無視してました」と言われる

そこで、店長はこんな厳しい言葉を口にした。

「どうですか?このまま続けますか?」
「あなた、僕のこと嫌いですよね?」
「もう無理じゃないですか?」

話し方は柔らかかったが、「暗に退職を示唆する物言い」をされたという。挙句の果てに

「あなた、僕の言う事全然聞かないから、話すのも嫌になって無視してました」

と告げられた。開き直りとも言えるハラスメント宣言ではないだろうか。しかし女性は

「私は仕事は楽しく好きだったので、続けたい旨伝え、指示に従いしっかり働きますと伝えました」

と、その時は踏みとどまった。

「もう店長に怒鳴られるのも無視されるのにも耐えられなくなり…」

しかし、そう伝えた翌日の朝一番、「電話での注文を間違えて受けてしまい、店長は無言」という険悪な雰囲気になってしまった。

「お客様にそのメニューが今はない事を連絡しなくては」と思い、連絡の取り方を他の従業員に訪ねるが、誰も分からない。右往左往していると、店長が「なんで聞かないの?」と、自分で電話をかけた。

「分からない事があっても、そうやって怒鳴るだけでやり方を全く教えてくれないので、次にミスしても解決法が分からずまた怒られる、の繰り返しです。他のパートさんもミスを隠します」

自分からやり方を店長に聞きにいかない女性に責任がないとは言えないが、そもそも高圧的で、無視されるなど聞きづらい雰囲気だったのだから難しい。

「結局、もう店長に怒鳴られるのも無視されるのにも耐えられなくなり、その日に仕事を辞めました」

店長は「非常識だなー、普通は辞めるひと月前に言うもんだ」と言いつつ「いや、いいや」と書類を出し「これに記入して。私物は全部持ち帰ってね」とだけ言って去っていった。

「後日、会社の人事部に、店長から言われたこと・された事をメモしたパワハラ記録をコピーし郵送しました。でも人事部のハラスメント部署は、建前だけで、何も改善されないと思います」

と諦めを綴った。しかし、部下が委縮しミスを隠すようになる店長は会社としても有害だろう。店長になんらかのペナルティが課せられると良いのだが。

© 株式会社グローバルウェイ