季刊情報誌「能登」再始動 地震特集、読者が背中押し

能登半島地震後初めて刊行された、季刊情報誌「能登」2024年春号

 能登地方の食や文化の魅力を発信してきた季刊情報誌「能登」の最新号が、元日の能登半島地震後初めて刊行された。発行人の経塚幸夫さん(70)は、石川県輪島市の自宅兼編集室が被害に遭い、完成目前だった冬号刊行を中止した。当分の休刊も覚悟したが、発行継続を願う読者の声に背中を押され、地震特集号として春号の刊行にこぎ着けた。

 2010年の創刊以降、企画、取材、執筆、販売などほぼ全ての作業を1人で担ってきた経塚さんは、今年1月の地震を受けて金沢市に拠点を移した。「1、2年は休まないと」とも考えたが、読者から「ぜひ続けて」などの声が寄せられ「復興していく能登を取材しよう」と決意した。

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