スイス、国立大留学生の学費を3倍に引き上げへ 下院委員会が可決

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スイス下院の科学・教育・文化委員会は17日、連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)と同ローザンヌ校(EPFL)の留学生の学費をスイス人学生の3倍に引き上げる案を可決した。27日に始まる夏期本会議で審議する。

スイス連邦内閣(政府)は次期(2025~28年)の教育・研究・イノベーション予算案で、2025年にETHドメイン(連邦工科大学2校)への交付金を1億フラン(1億1000万ドル)削減することも提案している。

これに関連して、下院科学・教育・文化委員会はさまざまな選択肢を検討。外国からの新入生にはスイス国民の3倍の税金を課す案を、賛成21票対反対3票で可決した。

一部議員は引き上げ率を5倍にするよう求めた。また、経済的に恵まれない学生の入学を保証するため現状維持を訴える議員もいた。現在、ETHZとEPFLの学費は1学期当たり730フラン(約12万5000円)。

奨学金も減額

同委員会はまた、2025~28年の外国人留学生・芸術家に対する国際協力予算・奨学制度への助成金について、拠出総額の上限を400万フラン減額することも決めた。これに対しては、留学生の学費を引き上げるのであれば、奨学金の減額は機会均等を損なうとの反論も出た。

下院本会議は夏期議会(5月27日~6月14日)の初めに同案を審議する。

英語からの翻訳:ムートゥ朋子

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