五輪・パラ事前合宿 長崎県内状況 5市が調整中 複数国から中止連絡も

県内の東京五輪・パラ事前合宿一覧

 東京五輪・パラリンピックで予定されている海外選手の事前合宿は、長崎県内でも調整が進んでいる。五輪開幕1カ月前となった6月23日時点で、長崎、佐世保、大村、諫早、島原の5市で各1チームを受け入れる方針。コロナ禍の影響で日程や人数などは不確定な状況ではあるが、各市の関係者が相手国と連携を取りながら準備している。
 事前合宿は選手のコンディション調整や時差の解消、気候への順応などを目的に大会直前に行われる。県によると、長崎市はポルトガルの水泳、佐世保市はスペインのハンドボール、大村市はポルトガルのトライアスロン、諫早市はフィリピンの陸上の選手団を受け入れる。日程は7月12~26日ごろにかけて、順次実施する方向で調整中。島原市ではドイツのパラリンピック陸上チームが、8月14~22日ごろに合宿を開くとみられている。
 5月の時点で、県内で事前合宿を予定していたベトナム、ラオスの選手団から中止すると連絡があった。また、スペインのレスリング選手団は出場権を獲得できなかったため、島原市で予定していた合宿が取りやめとなった。
 大阪府泉佐野市で事前合宿するウガンダ代表選手団の1人が、成田空港でのPCR検査で新型コロナウイルス陽性となったように、来日後にスケジュールや宿泊地が変更となる可能性もある。各市の担当者は移動手段の確保なども含めて、対応に追われている。
 県スポーツ振興課の野口純弘課長は「コロナ禍での厳しい受け入れになるが、受け入れ自治体とも一緒になって、オンラインなども含めた市民との交流や選手たちへの激励方法にも工夫を凝らしたい。受け入れて良かったと思えるような取り組みとしたい」と話している。

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