長崎大水害、よみがえる記憶 “1982年生まれ”有志が写真展

展示写真を説明する長野さん(右)と、父道彦さん=長崎市、石丸文行堂

 長崎大水害が発生した1982年生まれの長野仁さん(39)ら有志が、市民から募った写真などを展示する「長崎大水害写真展」が18日、長崎市浜町の石丸文行堂イベントホールで始まった。24日まで。
 長野さんは同市の会社員。生まれる前に起きた災害の記憶と向き合い、継承していこうと企画。市民や自治会などから計53点が寄せられた。
 会場には、川が氾濫したり、市民が一致協力して災害ごみを撤去したりする様子などを収めた写真や体験談などのパネルを展示。記録映像も放映している。あの日浜町の水位は173センチに達したことから、この高さに赤い線を引き、当時の状況を示した。
 長野さんらは写真の収集と合わせ、被災した約10人から証言を聞いた。「当時の記録と、それぞれのエピソードがつながりリアル感が増した。40年目をスタートに来年、再来年と取り組みを進めていきたい」と意気込みを話した。
 写真展に訪れた長野さんの父道彦さん(70)は「写真を見たら、恐ろしかった記憶がよみがえってきた」、西彼長与町の主婦、平田順子さん(43)は「最近も雨がひどい。同じような被害が起きてほしくない」と話した。


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