学校給食で3400人超食中毒 調理業者の役員ら書類送検 海藻サラダの不適切調理が原因 指導、指示怠る

集団食中毒、給食業者役員らを書類送検=埼玉県八潮市

 2020年6月、埼玉県八潮市で学校給食を食べた3400人を超える小中学生が病原大腸菌による食中毒を発症した問題で、県警が給食を調理した会社の男性役員ら3人を業務上過失傷害の疑いで、さいたま地検に書類送検していたことが捜査関係者への取材で分かった。書類送検は6日付。

 捜査関係者によると、書類送検されたのは給食を調理した八潮市の「協同組合東部給食センター」の60代の男性役員と50代の女性社員、調理担当していた30代の男性社員。書類送検容疑は、男性役員と女性社員が従業員に対して加熱処理するように十分な指導や指示をせず、男性社員は適切な調理をしなかった疑い。

 食中毒は20年6月に発生。同センターの給食を食べた3453人の児童・生徒が下痢や腹痛などを訴えた。保健所が調査したところ、給食に出された海藻サラダの海藻ミックスとワカメから病原大腸菌O(オー)7が検出され、集団食中毒の原因となった。

 県食品安全課は「乾燥した海藻サラダを給食前日に水戻ししたことで病原大腸菌が増え、加熱処理をしなかったため滅菌できなかった」と分析していた。

 同センターは民間業者で、市内全15小中学校の給食を調理し提供。食中毒発生後は約4カ月、給食が停止された。

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