中原豊
No.36 「宿酔」(詩集『山羊の歌』より)
朝、鈍い日が照つてて 風がある。千の天使が バスケットボールする。 私は目をつむる、 かなしい酔ひだ...
サンデー山口
No.35 「冬の日」(生前未発表詩)
私を愛する七十過ぎのお婆さんが、暗い部屋で、坐つて私を迎へた。外では雀が樋(とい)に音をさせて、冷た...
サンデー山口
No.34 「むつよ」(生前未発表詩)
あなたは僕より年が一つ上であなたは何かと姉さんぶるのでしたが実は僕の方がしつかりしてると 僕は思つて...
サンデー山口
No.33 「羊の歌 Ⅲ」(詩集『山羊の歌』より)
九才の子供がありました女の子供でありました世界の空気が、彼女の有(いう)であるやうにまたそれは、凭(...
サンデー山口
No.31 「(小川が青く光つてゐるのは)」(生前未発表詩)
小川が青く光つてゐるのは、あれは、空の色を映してゐるからなんださうだ。 山の彼方(かなた)に、雲はた...
サンデー山口
No.27 「吾子よ吾子」
ゆめに、うつつに、まぼろしに……見ゆるは 何ぞ、いつもいつも心に纏ひて離れざるは、いかなる愛、いかな...
サンデー山口
No.26「三歳の記憶」(詩集『在りし日の歌』より)
椽側に陽があたつてて、樹脂が五彩に眠る時、柿の木いつぽんある中庭は、土は枇杷いろ 蠅が唸く。 稚厠の...
サンデー山口
No.12 「早春散歩」(生前未発表詩)
空は晴れてても、建物には蔭があるよ、春、早春は心なびかせ、それがまるで薄絹ででもあるやうにハンケチで...
サンデー山口
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