
上野動物園のジャイアントパンダ、シャンシャンが21日、中国に返還される。「幸せにね」。10年以上、ほぼ毎日上野のパンダの様子をブログ「毎日パンダ」で発信し続けてきたさいたま市の高氏貴博さん(44)は、祈る思いで旅立ちを見送る。
2011年8月、同園で「かわいさやユニークなシルエット、全てに魅了された」。当時、上野のパンダはシャンシャンの父リーリーと母シンシンだけ。行列ができるのは週末ぐらいで、来園者が急増したきっかけは、シャンシャンの誕生だ。
生まれた17年6月12日は休園日だったが、園に駆けつけた。シャンシャンは順調に育ち、半年後に初対面。「こんなにかわいい子がいるのか」。ご飯の食べ方を覚える姿。じゃれつくおてんばさ。シャッターを押し続けた。
返還が決まり、寂しい気持ちもある。それでも「相性の合うパートナー探しは最も大事なこと」と、前向きに捉える。
最終観覧日となった19日、ブログのタイトルは「今日のパンダ(3139日目)」。ガラス越しに心の中で声をかけた。「絶対、会いに行くから」。
