シャンシャンあす中国へ 発信続けるブロガー「幸せに」

母シンシン(左)と一緒に食事するシャンシャン=2018年9月、上野動物園(高氏貴博さん提供)

 上野動物園のジャイアントパンダ、シャンシャンが21日、中国に返還される。「幸せにね」。10年以上、ほぼ毎日上野のパンダの様子をブログ「毎日パンダ」で発信し続けてきたさいたま市の高氏貴博さん(44)は、祈る思いで旅立ちを見送る。

 2011年8月、同園で「かわいさやユニークなシルエット、全てに魅了された」。当時、上野のパンダはシャンシャンの父リーリーと母シンシンだけ。行列ができるのは週末ぐらいで、来園者が急増したきっかけは、シャンシャンの誕生だ。

 生まれた17年6月12日は休園日だったが、園に駆けつけた。シャンシャンは順調に育ち、半年後に初対面。「こんなにかわいい子がいるのか」。ご飯の食べ方を覚える姿。じゃれつくおてんばさ。シャッターを押し続けた。

 返還が決まり、寂しい気持ちもある。それでも「相性の合うパートナー探しは最も大事なこと」と、前向きに捉える。

 最終観覧日となった19日、ブログのタイトルは「今日のパンダ(3139日目)」。ガラス越しに心の中で声をかけた。「絶対、会いに行くから」。

ブログ「毎日パンダ」を運営する高氏貴博さん=3日、東京・上野動物園

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