イチローズモルトのお膝元で…「秩父ウイスキー祭」が10周年 国内外から出展者 2500人美酒に酔う

人気を集めたベンチャーウイスキー秩父蒸留所のブース=19日午前11時半ごろ、埼玉県秩父市宮側町

 ウイスキー文化を国内外へ発信する「第10回秩父ウイスキー祭」(同実行委員会主催)が19日、秩父神社(埼玉県秩父市番場町)と秩父地場産センター(同市宮側町)で行われた。記念すべき10年目は、全国各地や海外から約2500人のウイスキー愛好家たちが集結。国内外メーカーの試飲ブースが設置された会場はウイスキーの華やかな香りに包まれ、美酒と秩父の情緒に酔いしれる大人の空間が広がった。

 同実行委員会は、県内外のバーテンダーらウイスキーを愛する有志で組織する。2014年に、秩父蒸溜所のお膝元である同市内で「第1回秩父ウイスキー祭」を開催。初回から多くの反響があり、出展者やイベント規模を年々拡大しながら、国内屈指のウイスキーイベントに成長した。コロナ禍に見舞われた第8回、9回はオンラインで開催し、「毎年恒例」を貫いた。

 今年は、国内外のウイスキーメーカーやインポーター(輸入業者)約60業者が試飲ブースを設置。各種ウイスキーセミナーも開催された。ベンチャーウイスキー秩父蒸留所(同市みどりが丘)の「イチローズモルト」をはじめとする人気銘柄や、世界各地のウイスキーが会場を彩り、来場者はブースを巡って香りや味を楽しんでいた。

 さいたま市から訪れた会社員の峯田康祐さん(35)は「初めて参加したが、想像以上のにぎわい。世界に名だたる銘柄をとことん味わいたい」と話していた。米カルフォルニア州出身のリッチーさん(28)は「秩父と福島県のウイスキーが気に入った。カルフォルニアはワインが主流なので、こんな体験はめったにできない」と笑顔を見せた。

 昨年12月に販売したチケットは即日で完売し、3年ぶりの現地開催は大盛況に終わった。同実行委員長の横田武志さん(43)は「今回はチケット販売数を制限したため、参加できない方もたくさんいた。来年は感染状況を考慮した上で規模を拡大し、ウイスキーファンのニーズに応えていきたい。これからも協力者と共に、一年一年積み重ねていく」と語った。

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