72ホール完走のウッズは4大メジャー“皆勤”に意欲「それが身体の許す全て」

優勝を決める最終ホールかのような大ギャラリー(撮影/田辺安啓(JJ))

◇米国男子◇ザ・ジェネシス招待 最終日(19日)◇リビエラCC(カリフォルニア州)◇7322yd(パー71)

優勝争いから遠く離れたポジションで入った日曜日の最終18番に“タイガーコール”が響く。タイガー・ウッズは「73」とスコアを落とし、通算1アンダー45位でホスト大会のプレーを終えた。

72ホールを終えた足で急勾配の階段を上がる(撮影/田辺安啓(JJ))

4日間72ホールを完走したのは、2021年2月に起こした自動車事故からの復帰戦だった昨年4月「マスターズ」以来。7カ月ぶりのツアーで回復途上にあることを示したが、「(カムバックに向けた)進歩ではあるが、勝つことはできなかった。このリビエラで勝てていない記録は続いているんだ」と悔しがった。未勝利の大会としては最多15度目の出場。開幕前、あくまで優勝するためにプレーすると口にしたレジェンドのプライドがにじんだ。

パーオン率50%と低調で我慢のゴルフ(撮影/田辺安啓(JJ))

最終日におなじみの“赤黒”ウェアをまとったのは、本人だけではない。同じコーディネートで決めて応援に駆け付けたファンもいた。1番(パー5)でバーディ発進も、その後が続かない。3日目の「67」を支えたグリーン上がいまひとつ。連日復帰戦とは思えない飛距離で周囲を驚かせた1Wは、生命線のフェードがきついスライスのような軌道を描くことも。180mph(約80.46m/秒)に迫っていたボール初速は170mph台の前半で終始した。

プレー中は何度も汗をぬぐった(撮影/田辺安啓(JJ))

プレー中、何度もタオルで顔の汗をぬぐうシーンが消耗の激しさを物語る。「家で4日続けてプレーしたとしても、アドレナリンの出方も違うし、このレベルで戦うために必要な強度、集中力には及ばない」。真剣勝負の場で身を削ってこそ、次の段階に進むことができる。「試合で4日間、72ホールを歩いたことは大きな意味がある。僕のチームは、日々の回復のために素晴らしい努力をしてくれた」と周囲のサポートに感謝した。

次戦は4月「マスターズ」となる見込み(撮影/田辺安啓(JJ))

気になる今後のスケジュールについては、4大メジャーでのプレーを最優先する意向を改めて強調。昨年は「全米オープン」のみ回避したこともあり、「今年は(メジャー)4試合全部に出場して、(メジャー以外で)あと2、3試合プレーできればいいんだけどね。腰を手術して、足も痛い。それが僕の身体が許す全てであり、現実なんだ」と言った。4月6日に開幕する「マスターズ」に向けた47歳の戦いは、すでに始まっている。(カリフォルニア州パシフィックパリセーズ/亀山泰宏)

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