子ども支え四半世紀...運営資金の確保に苦慮 宇都宮のNPO法人

チャリティーコンサートへの来場を呼びかける福田さん=19日午前、さくら市内

 虐待や貧困で親元で育つことのできない子どもを四半世紀にわたり支援してきた宇都宮市の認定NPO法人「青少年の自立を支える会」が、新型コロナウイルスの影響で運営資金の確保に苦慮している。恒例だったチャリティーコンサートを26日、同市文化会館で3年ぶりに開催するが、関係者同士が対面する機会が減り、チケットの売り上げが従前の約6割に低迷。多くの来場を求めている。

 同会は1997年、自立援助ホーム「星の家」を開設。児童養護施設を出た若者や、家庭に居場所のない子どものよりどころとなり、これまで150人以上の生活を支えてきた。

 2014年には里親などの自宅で子どもを養育するファミリーホーム「はなの家」と、放課後の勉強や食事、入浴などの支援を行う子どもの居場所「月の家」を相次いで開設。総勢15人のスタッフが子どもたちに日々、寄り添っている。

 これらの運営資金は行政からの委託費や補助金だけでは足りず、チャリティーコンサートなどを開いて確保してきた。チケットは例年、1700~1800枚を販売していたが、コロナ禍で2年連続中止を余儀なくされた。3年ぶりとなる今回は19日現在、コロナ前の約6割にとどまる見通しだという。

 同会の事務局長で県児童養護施設等連絡協議会長などを務める福田雅章(ふくだまさあき)さん(61)は「さまざまな会議がオンラインとなったり懇親会がなくなったりして、人と直接会う機会が極端に減り、思うように販売できない。資金不足はスタッフの賃金に影響する。人材確保への打撃になる」と危機感を募らせる。

 コンサートには同市出身のエレクトーン奏者倉沢大樹(くらさわだいじゅ)さんら3人が無償で出演する。福田さんは「協力してくれる3人のためにも、音楽を聴きに来てほしい」と呼びかけている。収益は同市内の児童福祉施設などにも還元する。

 26日午後3時半開演。チケットは千円。同市文化会館プレイガイドなどで発売。当日券あり。(問)星の家028.666.6023。

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