建設労働者の平均賃金は回復傾向―全建総連調査

全国建設労働組合総連合(全建総連)とNPO法人建設政策研究所がこのほど実施した調査によると、2022年の労働者の平均日額は14601円で、前回調査(2021年)から298円増加した。これまで3年連続で微減していたが、2018年を上回る水準に回復した。2021年の平均年収は387.9万円で、前年から4.0万円増えている。

同調査は53県連と組合を対象に実施したもので回答数は95572人。調査期間は2022年2月~7月のうち任意の1カ月。前回調査では25~64歳までを対象としたが、今回は全年齢を対象とした。職種は建築大工、配管工、電気工、土工、塗装工など。

労働者の平均日額を年齢別にみると、「20歳未満」が10131円、「20~30歳未満」が12306円で、最も高かったのは「50~60歳未満」の15435円。現場別では「ゼネコン現場」の15310円が最も高かった。職種別では「室内装飾・床張工」16107円、「電気工」15414円、「建築大工」15197円が上位となった。

一人親方および手間請け従事者の平均日額(1日分の収入から経費を引いた額)は17428円。2021年の平均年収は449.8万円で、前年から23.4万円増加した。現場別では「大手住宅会社」の488.5万円が最も高かった。

建築大工の9割以上がCCUS未登録

労働日数の平均は労働者が21.8日、一人親方他は20.7日。いずれも「25日」や「20日」と答えた人が多かった。現場別では、労働者は「ゼネコン現場」の22.6日、一人親方他は「大手住宅会社」の22.5日が最多だった。

CCUS(建設キャリアアップシステム)への登録は、労働者の76.0%、一人親方他の89.4%が「登録していない」と回答。登録者が多かったのは「ゼネコン現場」で、労働者の56.1%、一人親方他の36.4%、事業主の57.3%が登録済み。一方、その他の現場では9割以上が「登録していない」と答えている。職種別では「建築大工」の9割以上が未登録で、CCUSにメリットを感じていない様子が浮き彫りとなった。

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