原爆病院で災害実働訓練 『震度6弱想定』トリアージなど 医師や看護師ら動き確認

大規模災害を想定し、運ばれた重症患者の処置をする職員=長崎市、日赤長崎原爆病院

 長崎市茂里町の日赤長崎原爆病院(谷口英樹院長)は18日、同市内で震度6弱の地震が発生した想定で、傷病者の受け入れ訓練をした。医師や看護師ら約140人が災害時の動きを確認した。
 同病院は2020年、大規模災害の発生時に地域住民を受け入れる県の「地域災害拠点病院」に指定された。新型コロナ禍の影響で、机上でのシミュレーション中心だったが、今回初めて実働訓練をした。
 「地震発生」の放送直後、谷口院長が「指揮命令系統は一本化し連絡・報告を」と職員に指示し、災害対策本部を設置。院内のソファを移動して簡易ベッドにするなどの受け入れ体制を整えた。
 病院入り口に張ったテントで、負傷者の治療や搬送の優先順位を判断する「トリアージ」をした。痛みを訴える負傷者役に、医師や看護師が声をかけ、担架や車いすで院内に運び込む手順を確認。けがの程度に応じて中等症や重症の診療エリアに振り分け、入院や手術の手配などを進めた。
 訓練の責任者を務めた北﨑健医師は「災害は時期を選ばない。今後訓練を通じ、準備をしっかりやっていきたい」と話した。


© 株式会社長崎新聞社