32歳で逝去したチャールビ・ディーン 華麗なるウォーキングを披露 「逆転のトライアングル」本編映像

2023年2月23日より劇場公開される、第75回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した映画「逆転のトライアングル」から、本作での映画デビュー後に32歳の若さでこの世を去ったチャールビ・ディーンが出演したシーンの、本編映像が公開された。

人気ブランドのショー。会場に到着した超VIPの席がないことがわかり、スタッフの呼びかけで全員が右へ1席ずつずれるが、一番端にいたカールが押し出されてしまう。落ち目の男性モデルであるカールには新しい席の案内もなく、後ろに追いやられる。ファッションショーが始まる。「人類平等」「環境問題」を問いかけるいかにも意味深長なメッセージが投げかけられるも、次の瞬間に照明と曲調ががらりと変わり、一気に商業主義的で華やかなファッションショーが繰り広げられる。観客からの黄色い歓声が飛び交う中、ヤヤがファーストルックとして華やかに登場する。

主人公カールの恋人であるヤヤを演じたのは、本作で映画主演デビューを飾ったモデル出身のチャールビ・ディーン。32歳という若さでこの世を去ったチャールビにとって、本作が遺作となった。モデル時代に培ったウォーキングを披露している。

リューベン・オストルンド監督は、このシーンで描いたファッションショーについて、「このシーンで見せたように、環境問題のような重要なテーマを商売に利用する奴らには、普段から見るたびに怒りを覚えていたんだよ。あまりにも度を超えていてバカバカしいからね」と痛烈なコメントを寄せている。

実際にファッション業界で活躍していた経験を持つチャールビは、本作について「この映画は100%、ファッション業界の実態を伝えている。実は私をリューベンに推薦してくれたのは、ファッションフォトグラファーである彼の奥さんのシーナなんだけど、彼女がリューベンにファッション業界について話したことでこの作品は生まれたの。彼が業界の本質に通じていることは間違いないわ」「ヤヤのような“モデル然とした女”を演じるのは楽しかった!自由に奇抜なことをできたし、悪びれない彼女の性格が好き!」とコメントしている。

「逆転のトライアングル」は、ファッション業界とルッキズム、現代階級社会について描いた作品。監督は、「ザ・スクエア 思いやりの聖域」で第70回カンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)を受賞し、本作でカンヌ史上3人目の2作品連続パルムドール受賞を果たしたリューベン・オストルンド。「キングスマン:ファースト・エージェント」のハリス・ディキンソンが主演を務め、本作が遺作となったモデル出身のチャールビ・ディーンのほか、ドリー・デ・レオンやウディ・ハレルソンらが出演する。3月に発表されるアカデミー賞では、作品賞、監督賞、脚本賞にノミネートされている。

【作品情報】
逆転のトライアングル
2023年2月23日(木・祝)TOHO シネマズ 日比谷 他 全国ロードショー
配給:ギャガ
Fredrik Wenzel © Plattform Produktion

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