義援金1500万円を大使に トルコ地震で和歌山県串本町

義援金の目録をコルクット・ギュンゲン大使(左)に手渡す田嶋勝正町長=東京都の在日トルコ大使館で

 和歌山県串本町の田嶋勝正町長は17日、東京の在日トルコ大使館を訪れ、トルコ南部で6日に発生した大規模地震を受けて7日から協力を呼びかけていた義援金を、コルクット・ギュンゲン大使に届けた。15日までに町内外から寄せられた分で金額は1500万円。田嶋町長は「串本の思いをいち早く伝えたいとの思いで届けた。復旧復興は長期戦になるので、串本は常に寄り添っていきたい」と話している。

 串本町は日本トルコ友好発祥の町として知られ、1890年に同町樫野沖で起きたトルコ軍艦エルトゥールル号遭難事故の際、大島島民が救助に尽力したことが始まり。

 町総務課によると、義援金は町役場など4カ所に募金箱を設け、振込口座も開設して協力を募っている他、直接、町に義援金を届けに訪れる個人や団体も相次いでいる。今回は15日までに、直接町に寄託された1千万円と、募金箱や振込口座に寄せられた500万円の計1500万円を大使館に届けることにした。

 在日トルコ大使館には田嶋町長や町議、地元選出の県議らが出向き、田嶋町長がギュンゲン大使に義援金の目録と潮岬中学校3年生が作ったメッセージボードを手渡した。

 1週間余りで1500万円が集まったことについて、田嶋町長は「正直、われわれもびっくりした。いざとなったら串本が頑張らなければならないという気持ちを町民の皆さんが常に持ってくれていると感じた」と感謝。「133年の長い歴史があることを大使も十分に理解されており、いち早く駆け付けてくれたと感激されていた。息の長い義援金活動をしていきたいというやりとりをさせていただいた」と話した。

 ギュンゲン大使は「地震が発生した日から、常に日本がトルコのそばに立ってくださっていることを実感し、感謝している。日本、和歌山県、とりわけ串本の皆さまはトルコ人の心の中で大変特別な存在。本日来てくださったことも、それを証明してくれている。心より感謝申し上げます」と述べたという。

 また、田嶋町長によると、エルトゥールル号遭難事故などをテーマにした映画「海難1890」を全国で再び上映し、入場料を義援金にしようという計画が進んでいるという。

 田嶋町長は「監督から連絡があった。できればその1回目の上映を、町文化センターでできればという話をしている」と話していた。

© 株式会社紀伊民報