【詳報】衆院1区補選に門氏 二階・自民県連会長「円満に決定」

自民県連の記者会見で、衆院1区補選の候補者を門博文元衆院議員(右)に決定したと発表する二階俊博県連会長=和歌山市で

 衆院和歌山1区補欠選挙(4月11日告示、23日投開票)について、自民党県連は18日、元衆院議員の門博文氏(57)を擁立する方針を決定した。当初はくら替えへの意欲を見せる鶴保庸介参院議員(56)=和歌山選挙区=が有力視され、候補者選びは難航したが、衆院議員の二階俊博県連会長は「県連、円満に一致団結して決めた」と話した。

 岸本周平知事の衆院議員辞職に伴う補選。県連が同日、和歌山市のホテルで県選出の国会議員や県議、和歌山市議らによる「候補者選考委員会」を開いて結論を出した。終了後の記者会見で門氏は「努力が足りず落選中の身。しかし、もう一度チャンスを頂いた。しっかり活動し、選挙に勝ち抜きたい」と意気込みを述べた。

 候補予定者は当初、鶴保氏に決まるかとみられていたが、1月上旬の県連役員の会合で、一部国会議員らが丁寧な選考プロセスを取るべきだと主張。これを受け「候補者選考委員会」を設置したり、和歌山市議と同市選出県議による会合を複数回持ったりしたがまとまらず、最終的には鶴保氏を除く国会議員3人が3回の会合を開いて方向性を決定。告示約50日前の選考委員会でようやく決定した。

 門氏に決定した理由について二階会長は会見で「国会議員として10年間、誠実に活発に活躍してきたことの評価」とした一方「特に県連所属の国会議員の力強い後押しが大きく決定を左右した」とも述べた。世耕氏は「今回のプロセスはかなり丁寧な段取りが取られた」とし、国会議員の会合では「胸襟を開いて、先入観無く真剣に議論した」と話した。

 二階会長は「絶対に落とせない真剣勝負。門さんにとって後のない命懸けの選挙。われわれは、負ける候補にしょっちゅう付き合っておるわけにいかない。運動靴に履き替えて選挙運動に専念すると言うから、よし、それならやろうということ」と話した。この後、党本部が公認するか決めるが「県連の決定は党本部を従わせるぐらいの意気込みでやっていく」としている。

 選ばれなかった鶴保氏については、二階会長が「参議院の若い代表選手。参議院に活躍の場を残せるのは良かった」とコメントした。

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