2015年に上村遼太さん=当時(13)=が少年3人に殺害された事件から、20日で8年が経った。現場の川崎市川崎区の多摩川河川敷では上村さんを思う市民らが手を合わせ、冥福を祈った。
「このお花を見かけた人たちも事件を思い出してくれるはず」と近くに住む無職50代女性は花をそえた。女性の一人息子も上村さんと同じ中学に通っていた。「自分の子が同じ事をされたと考えると許せない」と話し、「生まれ変わったら、良い友達に出会ってほしい」と祈った。
最近手にした本で事件を思い出し、同市立高校に通う女子生徒(16)は初めて献花に訪れた。「小学3年の時、ニュースを見て衝撃を受けたのを覚えています」と振り返る。「地元が近くて他人事だとは思えない。本当につらい事件」と声を震わせていた。
5年ほど前から毎年、献花に来ている相模原市南区の佐賀山勉さん(75)は、「(当時)孫の年が近く、我が子のように悲しかった。絶対に繰り返されてはいけない」と語気を強めた。その上で「どんなことがあっても、思いやりの気持ちは大事にしてほしい」と願った。