神奈川の新規感染者数、1年1カ月ぶり500人下回る 県は受診時などマスク着用推奨

3月13日以降のマスク着用の見直しを説明する黒岩知事=20日午後、県庁

 新型コロナウイルス感染症を巡り、県内で20日に確認された新規感染者数は395人で、昨年1月11日(386人)以来約1年1カ月ぶりに500人を下回った。黒岩祐治知事は「第8波が収束に向かっていると感じていいと思う」と指摘。マスク着用については「個人の判断に委ねる」とする国の新指針を踏まえつつ、医療機関受診時や高齢者施設訪問時などは着用を推奨する方針を決めた。

 県内の感染者数は昨年10月中旬から再び増加に転じ、12月中旬から今年1月上旬にかけては1日当たり1万人を上回る日も多かった。同中旬から減少傾向が顕著となり、2月12日に約4カ月ぶりに千人を下回っていた。

 県は20日の新型コロナ対策本部会議で、国の新指針が適用される3月13日以降は、同基準に基づきマスク着用について個人の判断を尊重することを決めた。ただ、重症化リスクなどを考慮して医療機関や高齢者施設のほか、混雑した電車・バスで着用を推奨する。

 一方、飲食店の感染対策については、認証基準から「マスク飲食」に関する項目を削除することを決定。知事は「3年間に及ぶ新型コロナとの戦いも出口が見えてきた」と語った。

 このほか、教育活動に関しては文部科学省から4月1日以降の留意事項が示され次第、県教育委員会があらためて通知する。県立学校の卒業式は卒業生にはマスク着用を求めないことを通知しており、花田忠雄教育長は「入学式でも卒業式と同じような対応を取っていくと思う」と述べ、本年度中に詳細を示す意向を明らかにした。

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