神奈川県横須賀市内川の原発用燃料加工会社「グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン」(GNF-J)周辺で14日、原子力災害を想定した訓練が行われた。新型コロナウイルス禍で3年ぶりに住民が参加する形で実施。万が一の際に備えて避難手順を確認した。
訓練は市が企画し、同社と地元町内会、原子力規制委などの40人が参加。原料のウラン粉末が飛散する恐れのある火災を想定した。
浦賀署のパトカーが町内を巡回し、「住民の皆さんは屋内に入り、換気扇やエアコンを止めてください」などと屋内避難を呼びかけた。その後、通行人役の住民と工業団地の関係者が市職員の誘導で、応急避難所となった町内会館に徒歩で移動。防護服姿の市職員が携帯型の装置を使って放射線測定を実演した。
同社は厳格化された国の基準に応じた工事中で、2018年12月から核燃料の製造を停止している。製造再開は「数年はかかる」(同社)見通しという。
質疑応答では東京電力福島第1原発事故を踏まえ、住民から「最初は『危険性はない』と言っていたが、実際は違った。情報は正確かつ迅速に提供してほしい」などと要望が上がった。