40歳の誕生日を迎えたバーランダー 今世紀初の300勝まであと56勝

現地時間2月20日(日本時間2月21日)、ジャスティン・バーランダー(メッツ)は40歳の誕生日を迎えた。ワールドシリーズ制覇2度、MVP1度、サイ・ヤング賞3度と数々の栄光を手にしてきたバーランダーは、17シーズンにわたるメジャー生活で通算244勝&3198奪三振を記録。昨季キャリア3度目のサイ・ヤング賞を受賞するなど、まだ目立った衰えは見せておらず、この数字をどこまで伸ばすか注目される。21世紀にデビューした選手としては初めてとなる通算300勝を達成することはできるだろうか。

バーランダーは2019年3月に2年6600万ドルでアストロズと契約延長。ところが、右前腕を痛めてトミー・ジョン手術を受けることになり、その契約期間2年はわずか1試合しか登板できなかった(2020年1試合、2021年は全休)。オプション付きの1年契約でアストロズに残留した昨季は終盤に右ふくらはぎを痛めて2週間ほど離脱したものの、28先発で175イニングを投げ、18勝4敗、防御率1.75、185奪三振と完全復活。最多勝と最優秀防御率の二冠に加えて3度目のサイ・ヤング賞を受賞し、シーズン終了後に選手オプションを破棄してFAとなり、オプション付きの2年契約でメッツに加入した。

タイガース時代のチームメイトだったマックス・シャーザーと「最強二本柱」を形成し、カルロス・カラスコ、ホセ・キンタナ、千賀滉大との超強力ローテーションも完成。スティーブ・コーエン・オーナーの積極的な補強のおかげで打線やブルペンにも十分な戦力が揃っており、バーランダーは故障さえなければ、40歳となった今季も順調に白星を積み重ねていくはずだ。

ナックルボーラーのフィル・ニークロは40歳のシーズン以降に121勝を記録。これは例外としても、75勝のウォーレン・スパーン、73勝のランディ・ジョンソン、71勝のノーラン・ライアン、70勝のグレッグ・マダックス、61勝のロジャー・クレメンスなど、40歳のシーズン以降に多くの白星を積み重ねた名投手は少なくない。まだパワーピッチャーとして十分な力を維持しているバーランダーが残り56勝に迫る通算300勝を達成する可能性は十分にあると言えるだろう。

ちなみに、21世紀の最多勝利記録を持っているのは251勝のCC・サバシア。バーランダーは今季8勝以上を挙げれば、サバシアを超えて「21世紀最多勝投手」となる。3位ザック・グレインキー(223勝)、4位マーク・バーリー(210勝)、5位シャーザー(201勝)と続き、現役選手ではほかに197勝のクレイトン・カーショウが7位、195勝のアダム・ウェインライトが9位にランクインしている。

© MLB Advanced Media, LP.