ミツバチを守ろう みなべ・高城中生徒が巣箱作り

下村勤さん(右)に教わってミツバチの巣箱を作る生徒=20日、和歌山県みなべ町滝で

 和歌山県みなべ町滝、高城中学校(瀬戸敬二校長)の1年生13人が20日、ニホンミツバチの巣箱を作った。梅の受粉の際に重要な役割を果たすミツバチの保護を目的とした取り組みで、出来上がった巣箱は3月中旬に校舎周辺に設置する。

 同校では地域を知ろうと2年前から、総合学習に世界農業遺産「みなべ・田辺の梅システム」を取り入れ、南高梅の受粉を助けるニホンミツバチについて学んでいる。本年度は1月18日にミツバチの生態や自然界での役割、巣の構造などについて学び、この日は巣箱作りに取り組んだ。

 講師は、これまで同様に高城地域共育協議会会長の下村勤さん(79)=みなべ町高野=が務めた。梅農家で、ニホンミツバチの保護活動をしている。

 生徒は3班に分かれ、下村さんが用意したスギ板を材料に、指導を受けながら組み立てた。天井板にはハチを誘い込むために蜜蝋(みつろう)を塗り、雨などによる劣化を防ぐため最後にバーナーで表面を焦がした。巣箱は幅38センチ、奥行き42センチ、高さ40センチ。1時間半ほどで各班1箱ずつ作った。

 岡﨑秀翔君(13)は「班のみんなで協力し、うまくできた。梅の実がたくさんなるためにも、僕たちが設置した箱に何とかハチが入ってくれればと思う」と期待する。

 過去2年間の活動では計5個を作り、校舎周辺に置いた。それとは別に下村さんがミツバチの群れが入った巣箱を置いている。

 3月には、女王バチなどが別の巣に移る分蜂を見込んで、ミツバチの群れが入った巣箱の近くに、今回作った巣箱のうち2個を置く予定。下村さんは「生徒たちは熱心に取り組み、いい巣箱ができた。今年は分蜂があると思うので楽しみ。新しい巣箱に入れば生徒も喜んでくれると思う」と話していた。

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