「新潟をさらに活性化する人材を育てたい」 株式会社真友社 馬場寛取締役社長(下)

「子ども自体の質はどの地域においてもそんなに変わるものではない」と語る馬場社長

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新潟県及び宮城県に、学習塾の経営や通信制高校サポート業務、放課後等デイサービスの運営など11の教室、事業所を展開している株式会社真友社(新潟県新潟市中央区弁天3 小倉拓也代表取締役)は、国大グループホールディングス(埼玉県さいたま市 小倉拓也代表取締役)の子会社のひとつである。前回は、同社の馬場寛取締役社長(51歳)が教育業界に携わることになったきっかけと教育に対する想いを中心に話しを聞いた。今回は、馬場社長と新潟県が関わりを持つようになった経緯と、経営者としての想いを中心にまとめていく。

「新潟に来ることを楽しみにしている」と、馬場社長は語る。普段は、本社のある埼玉県に居住し、執行役員として勤務している馬場社長だが、学生時代から周囲に本県出身の友人がいたこともあり、個人的にも本県には親しみがあるという。真友社がある本県には、毎月必ず足を運んでいる。元々「皆でわいわい集まる空間が好き」という馬場社長の新潟での楽しみの一つは、社員と食事をすることである。それは、たわいのない会話の中に社員1人ひとりのやりたいことや、考えが垣間見えるような気がするからである。食事に出かけた際は、毎回新潟の社員に「あれ食べましたか?これ食べましたか?」と聞かれ、食事にしても、酒にしても、新潟の名産がどんどん出てくる。「新潟の人たちは、“新潟愛”が強い」と感じている。

また、馬場社長は、「新潟の人は話しやすい」とも語る。仕事の後は、赤提灯の店で、一人で飲むこともあるそうだが、初めて入った店で飲んでいると、たまたま近くにいた知らないお客と仲良くなっている、なんていうこともよくあるという。そういった地元の人たちの交流を通じて、「もっと(新潟のことも)知っていかなければならない」と感じている。

他の地域の教育事情もよく知っている馬場社長にとって、本県の教育市場はどのように映っているのだろうか。馬場社長によると、「少子化により子どもの数が少なくなっている昨今、親が1人当たりにかける教育費が増えてきており、新潟県でも他の地域と同じように通塾の低年齢化が進んできている」という。特に新潟の場合、生活に地場産業が根付いていて、子ども達も素朴な子達が多い。これは関東の子ども達とは異なる点である」と指摘する。

「とはいえ、新潟の子どもも、関東の子どもも、子ども自体の質がそんなに変わるものではない。生活密着型の環境を活かし、地元新潟をさらに活性化する人材が育ってくれれば」と馬場社長は語った。

真友ゼミ長岡校の入り口には、「逆転合格」と書かれたポップが大きく窓に貼られている。同社は赤点ばかりとっていて、卒業ぎりぎりという生徒もしっかりと大学合格へと指導する。

また真友社は、2018年に国大グループが真友社と業務提携を結んだことにより、学習塾1本でやってきた状態から、従来の真友社が行っていた「放課後デイサービス」「就労移行支援事業」などの事業も継承することになり、馬場社長は、その福祉分野における重要性も改めて認識している。

「LD・ADHDなどの学習障害などが、社会的認知を高めていることも相まって、今後は、進学塾として、進学予備校としての真友ゼミを極めていくとともに、“学校に行けない子”“学校に行っても落ち着いて学習が出来ない子”といった子ども達にも、等しく自分自身の未来と自己実現をめざす大人へとむかっていけるための支援ができるように、福祉事情をもっと高いレベルで提供できれば」と考える。

「ゆくゆくは、国大グループの理念を継承し、多くの方々の“あったらいいな”を提供していき、最終的には人が幸せになれる支援になることを目指して、事業の枠組みをしっかり作っていきたい。そのためにも現在、真友社にいる人たちが、広い視点でやりたいことができる土壌を作っていきたい」と語る馬場社長の目には迫力がこもっていた。

長岡校の入り口は、‟まゆきちゃん“というかわいらしい女の子のキャラクターが描かれたポスターが目印である。

真友ゼミ長岡校 落ち着いた雰囲気で学習ができるような空間設計がなされている。

自習室も完備。試験前には多くの生徒が利用する。

【関連情報】
株式会社真友社 公式ホームページ

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