「相談する相棒はいますか?」絵が特技の警察官が有名人の似顔絵で防犯呼び掛け 岡山県警

警察官が描く「似顔絵」といえば犯人の似顔絵を思い浮かべますが、岡山県警には有名人の似顔絵を描いて犯罪被害の防止に力を尽くしている警察官がいます。

(在間隆真リポート)
「『私はもっぱら紅茶ですから~』なんてセリフが聞こえてきそうです。KSBでおなじみの刑事2人が特殊詐欺の防止を呼び掛けています」

岡山西警察署の入り口に設置されているこの看板。テレビ朝日系列で放送している刑事ドラマ「相棒」の登場人物の下に書かれているのは、「相談する相棒はいますか?」というメッセージ。不審な電話がかかってきたら誰かに相談するよう呼び掛けています。

描いたのは、岡山西警察署の生活安全課で勤務する川崎忍巡査部長です。

(岡山西警察署 生活安全課/川崎忍 巡査部長)
「見てくださった方が防犯意識について自分で考えてくださったり、自分自身気を付けようと思ってくださればなと」

川崎さんの主な業務は、犯罪を未然に防ぐための企画の立案です。特に力を入れているのが「特殊詐欺の被害防止」です。

岡山県警のまとめによると2022年、県内では159件の特殊詐欺被害が確認されました。前の年より45件多く、被害額は3年続けて3億円を超えています。被害に遭った人の8割以上が、65歳以上の高齢者でした。

岡山西警察署では2022年10月、岡山工業高校の生徒と協力して、特殊詐欺の手口を紹介するマンガ冊子を作りました。この取り組みを企画したのが川崎さんでした。

幼いころから絵を描くのが好きだったという川崎さん。子どもの非行防止のため紙芝居を作って披露したこともあったそうです。

そして2021年、岡山西警察署に異動したのをきっかけに、2カ月に1度ほどの頻度で似顔絵の看板を描いて、警察署を訪れた人に防犯を呼び掛けています。

似顔絵の題材は、特殊詐欺の被害者の多くを占める「高齢者」に身近に感じてもらえるようにと「一昔前の刑事ドラマ」の登場人物から選んでいるそうです。

(岡山西警察署 生活安全課/川崎忍 巡査部長)
「色んな手段で防犯に関して広報をしているんですけど、決定打がないというか、少しでも皆さんに訴えかける素材が増えれば、その分、皆さんに伝わるかなと思って描いています」

川崎さんの新作がこちら! KSBでも放送していた刑事ドラマの登場人物をモチーフにした作品です。「はぐれ刑事純情派」ならぬ「はらえ電子マネーには慎重派」。前作の「相棒」に続いて、特殊詐欺の被害防止を呼び掛ける内容です。

(岡山西警察署 生活安全課/川崎忍 巡査部長)
Q.出来栄えは何点ですか?
「100点をつけたいと思います! (藤田まことさんの)お顔の特徴として、面長なところがポイントではあると思うので、口元のあたりとかを気にして描きました」
「警察っていうのは、犯人を捕まえるというような立場だけではなくて、そもそも犯罪を起こさせない、一般の方にも防犯の意識を高めていただく、そういった役割もありますので、広く皆さんに防犯の意識を高めてもらえるように、広報等に力を入れていきたい」

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