杉並区“ボートマッチ”断念「公選法に抵触」…民間ならOK、活用法を探る

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。2月16日(木)放送の「FLAG NEWS」のコーナーでは、杉並区が断念した“ボートマッチ”に関するニュースを取り上げました。

◆岸本杉並区長は「大変残念」とコメント

杉並区の選挙管理委員会は、4月の統一地方選に伴う区議選で計画していた「ボートマッチ」を中止することを決定しました。ボートマッチとは、有権者が自分と考えの近い候補者を知ることができる投票マッチングサービスです。杉並区選挙管理委員会は、投票率が低い若年層への啓発事業として準備を進めていましたが、総務省が公職選挙法に抵触する可能性を指摘したため、断念を決めました。

断念決定にあたり、杉並区の岸本聡子区長は自身のTwitterで「本区はじめ地方選挙の低投票率に私も強い危機感を抱いており、若年層の投票率向上の起爆剤となる新たな取り組みとして本事業に期待していましたので、大変残念に思います」、「総務省の通知によれば、選挙管理委員会以外が実施する投票マッチングは規制されません。今後、区民や民間団体・事業者のなかからこうした取り組みを行う方が出てくることを期待します。区としては選挙管理委員会と連携し、投票率向上の取り組みを進めてまいります」とコメントしています。

◆杉並区の決断に、Z世代の反応は?

この件に関して、株式会社ゲムトレ代表の小幡和輝さんは「民間ではこうしたサービスがいくつかあるので、公的にやるのはダメとは知らなかった」と驚きつつ「いい取り組みだと思うので、すでにあるものを民間と一緒にやってほしい。今後もいい形でできれば」と民間との連携を望みます。

キャスターの堀潤は、「これを機に、本丸の選挙そのもののあり方が変わればいいなと思う」と切望。さらに「もっと公の場で候補者たちが政策議論を戦わせ、自分たちの意見を言い、そこに(一般の人たちが)参加し、投票し、僕らも候補に投票するというよりも、政策に投票できるようなカルチャーが広がれば」と、縛りの厳しい現状を憂います。

食品ロス問題に取り組む「渋谷肥料」メンバーの清水虹希さんは、(なかでも若者は)自分たちの意見が政策とどうマッチしているかわからないことが多いとし、民間のボートマッチを活かすべきと所感を述べます。

そして、「ボートマッチの結果はあくまで参考。参考にしながら、自分の意思を投票で示していくことが大事」と主張します。

番組Twitterの「スペース機能」に参加していた視聴からは、地方で投票率が上がらないことに対し「地域でのつながりが希薄になっているのが、低投票率に結びついているのではないか。自治会や町内会などの人たちに話を聞くのも有益だと思う」という声がありました。また、ボートマッチに関して「自分が政策を作る場合、あらゆるジェネレーション、ジェンダーに対して届ける政策を考えていたので、どういう選択で自分が選ばれる(マッチングされる)のかを想像しながらこのニュースを聞いていた」と話す方もいました。

こうした意見を踏まえ、堀は「選挙の前哨戦として毎月テーマを決めて通年で、ボートマッチを普段から行うのはどうか。選挙に特化すると選挙管理委員会も懸念するが、日頃からやっていれば面白い」と新たな試みを提案していました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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