シャンシャン中国へ旅立つ 沿道や空港で…ファンが見守り涙の別れ

上野動物園の人気者・ジャイアントパンダのシャンシャンが中国へ旅立ちました。上野動物園や空港には早朝から多くのファンが集まり、シャンシャンを涙ながらに見送りました。

シャンシャンに感謝の気持ちを伝えようと、2月21日は朝早くから多くの人たちが上野動物園周辺に集まりました。パンダ愛好家の高氏貴博さんもその1人です。高氏さんは毎日パンダの写真を撮影してブログに投稿しているという、ファンの間でも有名な大のシャンシャンファンです。高氏さんは「シャンシャン自体は見られないが、その様子はしっかり目にとどめたい」と話しました。

多くのファンが待つ中、動物園では輸送の準備が進みます。黒いケージの中ではシャンシャンが動く様子も見られました。そして、準備を終えると職員に手を振られて送り出され、動物園を出発しました。集まった人たちは涙を流し、声を震わせながら「シャンシャン大好きだよ」などとシャンシャンに感謝の思いを伝えながら見送りました。見送ったファンの中には「周りの皆さんの泣き声だけで泣けてきた。本当にみんなに愛されていたんですね」「とにかく頑張ってねって思います。無事に着くよう、今はそれを祈っています」などと泣きながら話していました。高氏さんもトラックをカメラで追い続けていました。高氏さんは「ついに行ってしまいましたね。あとは無事に到着してくれることを祈るのみ」と話していました。ただ、沿道が大きな声援に包まれた後、集まったファンは一斉に駅の方へと移動しました。みんなが向かったのはシャンシャンが中国に向けて出発する成田空港です。高氏さんも「これから成田空港に行きます。少しでも早く先回りをしてシャンシャンを迎えたい」と話しました。

シャンシャンの出発まで残り2時間ほどとなった成田空港第1ターミナルの展望デッキには多くのパンダファンが集まりました。高氏さんも撮影にうってつけの場所を確保し、最後の瞬間を待ちます。そして午後1時前、ついにシャンシャンを乗せた飛行機は中国へ向けて飛び立ちました。多くの人たちが手を振り、中には涙ぐむ人もいました。空港で見送った名残を惜しむファンの中には「シャンシャンの幸せとかパンダの使命とか考えると、本当に幸せになってほしい、ただそれだけ。ありがとう」と話す人もいました。

高氏さんも飛行機が見えなくなるまでカメラのシャッターを切り続けました。高氏さんは「5年間の思いを伝え切れないので、見えなくなるまで目にもカメラにもしっかりと焼き付けました。明るい気持ちでこれからもシャンシャンを応援していきたい」と語りました。そして「この後は上野動物園に戻って、双子のパンダやお父さん・お母さんを見に行く」と話していました。

パンダファンの"愛”はこれからも続きます。

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