情熱のメキシコ絵画 ファンら堪能 岡山県立美術館特別展は会期中盤

オロスコの「メキシコ風景」(左)など近代メキシコ絵画を楽しむ入場者

 岡山県立美術館(岡山市北区天神町)で開催中の特別展「エコール・ド・パリとメキシコ・ルネサンス」は会期中盤。名古屋市美術館のコレクションから厳選した近代絵画167点がそろうとあって、22日も美術ファンらが、名画との出合いを堪能していた。

 1920年代、世界中からパリに集い「エコール・ド・パリ(パリ派)」と呼ばれたモディリアーニやシャガールらの女性像や連作版画が並ぶ。中でも異彩を放つのが、同時期に革命後のメキシコで起こった絵画運動「メキシコ・ルネサンス」の作品を集めたコーナーだ。

 母国の英雄を描いたシケイロスの「カウテモックの肖像」、大きなリュウゼツランが目を引くオロスコの「メキシコ風景」など、パリ派と異なる鮮やかな色彩と力強いタッチが入場者を魅了。倉敷市、女性(59)は「メキシコ絵画は初めて見るが、骸骨が描かれた版画が陽気で面白かった。新しい時代を築こうとする情熱が伝わってくる」と話していた。

 山陽新聞社など主催。3月12日まで、月曜休館。

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