岡山市教委は22日、市立学校の健康診断について、2023年度から上半身に体操服やバスタオルを着用できるようにする方針を明らかにした。これまで脱衣が原則だったが、21年5月に市内の学校で健診中だった男性医師が女子児童らを盗撮した事件を踏まえ、子どもたちのプライバシーや心情面に配慮して見直す。3月末までに各校に通知する。
市議会代表質問で小林寿雄氏(おかやま創政会)が健診の在り方をただしたのに対し、三宅泰司教育長が「希望する場合には体操服やバスタオルなどの着用を可能とする」と述べた。
市教委保健体育課によると、健診時の衣服の着脱は全国で統一されたルールがない。既に体操服の着用を認めていたり、着脱を補助する看護師が同行していたりする自治体もあるという。
事件を受け市教委は対応を検討。体操服などの着用を認め、看護師の同行は人材確保や費用面で課題があるとして見送った。
事件では、健診中に女子児童や生徒をペン型カメラで盗撮した男性医師が児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)罪などに問われ、昨年11月に京都地裁で執行猶予付きの有罪判決を受けた。