県立大生 インターンの成果発表 岡山で「吉備の杜」シンポ

地域産業発展に貢献する人材の育成をテーマに開かれたシンポジウム

 岡山県立大(総社市窪木)が中心となり、地域の産業活性化に貢献する人材の育成を目指す「『吉備の杜(もり)』創造戦略プロジェクト」のシンポジウムが22日、岡山市北区柳町の山陽新聞社さん太ホールで開かれた。プロジェクトで学ぶ学生らが登壇し、県内企業でのインターンシップを通じた学びの成果を披露した。

 同大ではプロジェクトに沿って食、ICT(情報通信技術)、木材・建設の3分野で地域課題をテーマに授業を開設し、学生ら約350人が学ぶ。希望者はさらに約20日間の職業体験に参加し、商品や新技術の開発を体験している。

 シンポでは、学生と受け入れ企業の担当者が意見を発表。大学院1年でシステム工学を学ぶ北山晃生さん(23)は、IT企業で人工知能(AI)を活用した監視カメラの開発に携わった。社員の指導を受けながら、映像から人物を検出するシステムを試作したという北山さんは「企業の研究は利便性向上といった成果が明確に求められ、大学との違いを感じた。技術だけでなく課題解決能力も磨けた」と話した。

 他の学生からは、食品メーカーでの梅の実を使った調味料開発の体験談などが披露された。企業側からは「指導に当たった若手社員にとってもよい成長の機会になった」との感想が出ていた。

 プロジェクトは同大や県、中国銀行、山陽新聞社など県内25企業・団体による協働組織が2020年度から実施。会場とライブ配信で計約160人が聞いた。

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