ICHI(イチ) ~ 細く長く、真備への支援を続けたい。真備町出身のシェフが作る、フレンチ仕込みの絶品バーガー

2019年4月、倉敷美観地区の近くにオープンした「ICHI(イチ)」。

お店の場所は、明治初期に創業した愛文社書店の奥にあります。
昼はハンバーガー、夜は炭火焼きが楽しめる、隠れ家のようなお店。

フレンチ出身の店主、大森さんが作るハンバーガーはボリュームたっぷり!

1度食べたらやみつきの美味しさで、美観地区の新しい名物になるかもしれませんよ。

取材した2019年は、お店を切り盛りするかたわら、大森さんは出身地真備町のボランティアや支援を続けていました。

平成30年7月豪雨を経験した真備町への思い、そしてお店のこだわりなどのお話を聞かせてもらいました。

愛文社書店の奥、細道を通って出会うお店「ICHI」。

ハンバーガーと炭火焼きのお店「ICHI」は、同じく2019年4月にリニューアルした愛文社書店の奥にあります。

こちらの「ICHI」と書いてあるのれんが目印ですよ。

愛文書店脇の細道を抜けていきます。
ちょっとワクワクしますね。

お店の建物が見えてきました。
築約200年の蔵を改装した、美しくモダンな建物です。

細道の横には中庭もあります。

可愛らしいお店のロゴマークです。
マークの中に「ICHI」の文字が隠れているそうですよ。
どこにあるか分かりますか?

築約200年の蔵を改装した店内。1階は炭火焼き、2階がハンバーガー

1階は主にディナーの炭火焼きに使われます。

大きなカウンターに広い厨房があり、なんとも居心地の良さそうなライブキッチンです。

ちょうどバンズが焼き上がりました。
ほのかに甘い香りのバンズは、発酵バターと赤玉卵黄を使用したシェフの手作りです。

ランチのハンバーガーを食べる場合は、お店の2階に移動します。
明るくて素敵な空間ですね。

2階のカウンター席は窓が大きく、心地の良い風が吹き抜けます。

窓からの景色。
生活感があり、でもなんだか倉敷っぽい、どこか心が和む景色です。

カウンターには、USB充電専用の差込口が完備されています。

天井には古い梁が残り、蔵であったことを思わせる建物ですね。
ランプもおしゃれ。

手を洗う場所も完備されています。
子供連れも安心ですね。

木目調で心が休まる温かい空間の店内。
美観地区の雑踏から少し離れて、静かに過ごせる穴場的な場所としておすすめです。

自家製バンズにラグーソースのICHIバーガーが美味しすぎる!

ランチの「ICHIバーガーセット」をオーダーしました。
素敵な店員さんが2階まで運んでくれますよ。

ICHIバーガーセットは2019年取材時のものです。2023年1月現在は、ハンバーガー単品にポテトセットやサラダセットを付けられます。

パテ、チーズ、トマト、レタス、オニオン、ピクルス、特製ソースが挟まれた、贅沢なハンバーガーです。

とろりとトロけるチーズ、そしてあふれる特製のラグーソース(ミートソース)がたまりません。

豪快にかぶりつくと、お肉の旨味に野菜のシャキシャキ感、それらを受け止めるバンズの美味しさに驚きました。

これはぜひ、たくさんの人に食べてもらいたいハンバーガーです。
美味しすぎる!

自家製バンズはICHIのロゴ入り。
こんなに具だくさんなのに、バンズがまったく負けていないんです。

サイドには、カリカリとしたクリスピータイプのフライドポテト。

そして嬉しいオニオンリング付き。 オニオンリングがあると嬉しい筆者です。

ドリンクのマグカップが可愛らしいですね。

ひとつひとつのカトラリーもセンスが良く、お店の雰囲気にぴったりです。

2023年1月撮影

ランチメニューは、チーズバーガーやクラシックバーガーもあります。

次に、店主の大森一知郎(おおもり いちろう)さんにお話をお聞きしました。

5年後を見据えて、自分でできることを。ICHI店主の大森一知郎さんインタビュー。

ICHI店主の大森一知郎さんは、倉敷市真備町出身。

2019年8月17日に開催された吉備様復興花火大会の実行委員など、平成30年7月豪雨の災害にあった地元のために、いまも尽力しています。

これまでの活動やこれからのこと、ふるさと真備を思う大森さんにインタビューしました。

インタビューは2019年9月の初回取材時に行った内容を掲載しています。

──令和元年8月に行われた吉備様復興花火大会には、近隣の商店街のかたとも協力して活動されたと聞きしました。

大森────

そうですね、商店街をはじめ、たくさんのかたの協力や寄付で実施できたと思っています。

特に花火師さんには感謝しているんです。花火師さんが、8割以上も寄付をしてくださって実現できました。

今後5年間は、花火大会の継続とお店での募金活動を中心とした支援を続けたいと考えています。

──お店を営業しながらの活動は、大変ではないですか?

大森────

自分のできる範囲でやるだけですね。
今でもだいたい月1回のペースでボランティアに行っています。

真備の同級生同士でLINEグループがあるのですが、毎週「(真備の)○○に○時集合です」と呼びかけがあるので、行ける時は参加するようにしています。

用水路の清掃ボランティアに行くと、泥の中からたくさんのガラス片が出てきたりするんです。
平成30年7月豪雨から1年経ちますが、まだまだ爪痕は深いと感じますね。

──平成30年7月豪雨から1年も経つとだんだんと報道も減っているように感じます。
まだまだボランティアが必要だということを、多くの人に知ってもらいたいですね。

大森────

なんとなくでも「ボランティアをやれたらな」と思っている人は多いと思うんです。

その人達に、どうやったらもっと気軽に参加できるか、ハードルを低くするにはどうしたらいいか、これから考えていきたいですね。

自分もお店もありますし、そんなに大きなことはできなくても、個人的にできることをコツコツと続けていけたらと思います。

お店でも、矢掛町や真備町にいる親戚の野菜を使うようにしているので、ぜひ食べに来てもらいたいですね。

美観地区の美味しいハンバーガー、ここにあります

「1人でも多くの人に、このハンバーガーの美味しさを知ってもらいたい!」

ハンバーガー好きの筆者、食べた瞬間に思いました。
この美味しさを知らないのはもったいない!

矢掛町や真備町の野菜を使い、今でもボランティアに出かけている大森さん。

お話を伺いながら、まだまだ、自分自身もできることがあるのではないかな、と感じました。

他にはない「美観地区の本格ハンバーガー」、ぜひ味わってみてくださいね。

© 一般社団法人はれとこ