迫る特急列車 踏切内の高齢者救出 岡山理科大の福田さんに感謝状

岸本署長(右)から感謝状を受け取る福田さん

 岡山理科大2年の福田桃子さん(19)が岡山市中区清水のJR山陽線の踏切内に取り残された足の不自由な女性(90)=同市=を救出したとして岡山中央署から22日、感謝状を贈られた。警報機が鳴り、列車が迫る中、女性を抱え上げて脱出。直後に女性の手押し車が列車と接触する間一髪のタイミングで、福田さんは「助けるのに必死だった。無事でほっとした」と話している。

 福田さんは12日午後8時45分ごろ、自宅近くで買い物をした後、10メートルほど先を歩く手押し車の女性が目に留まった。足元がおぼつかず、気になって後ろから様子を見守った。

 女性が踏切に入ってから警報機が鳴り始めた。踏切の幅は約10メートル。女性の歩みは遅く、渡りきる前に遮断機が下りてきた。

 「間に合わない」。福田さんは遮断機をくぐって踏切内に飛び込み、女性を素早く抱え上げて外に連れ出した。岡山駅方面に向かっていた特急列車がその直後に通過し、手押し車をはねた。遮断機が下りてから十数秒の出来事だった。

 同署によると、女性は左足が不自由で手押し車を使っており、当時は買い物から帰る途中だった。

 同署で岸本克則署長から人命救助の感謝状を受け取った福田さんは「自分の行動を振り返ってみると、危なくてどきどきするが、当時は助けることしか頭になかった。(女性の)様子を見守っていて良かった」と話した。

岡山中央署から贈られた感謝状を手にする福田さん

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