くら寿司、迷惑行為対策にAIカメラ活用へ 物価高対策にも着々 「無添加うにと国産本まぐろ」フェアも開催

回転寿司チェーンのくら寿司は、22日から期間限定で「無添加うにと国産本まぐろ」フェアをスタートさせた。ひな祭り限定持ち帰り商品「祝の極上華ちらし」も受付中。回転寿司業界全体が迷惑行為問題や物価高で揺れる中、同チェーンでは客の不安解消やニーズに合わせた施策に取り組んでいる。

魚介類の価格が高騰する中、22日から始まったフェアでは「うに軍艦」を一貫115円で提供する。型崩れを防ぐために使われる添加物の「ミョウバン」不使用が特長。とろける食感や、磯の香りが楽しめるという。

「国産天然本まぐろ 上赤身」は、宮城県塩釜で獲れた本まぐろのみを厳選。しょうゆベースのたれに漬け、うま味を引き出した「国産天然本まぐろ 漬け上赤身」や、粗くたたき加工した「国産本まぐろ ねぎまぐろ軍艦」も、1貫165円で取りそろえた。

同チェーンの「極みの逸品シリーズ」として、国産ネタのみを厳選した「豪華国産づくし」(980円、税込)を販売。北海道や岩手県などで獲れたうにを有明産のりで食べる手巻きずしと塩釜産本まぐろを使ったにぎりと細巻、北海道産建てマスいくらをのせた軍艦の4種を盛り合わせた。

愛媛県の宇和島で養殖された寒ぶり(2貫250円)は、時期的に脂乗りが最高と担当者がすすめる。「フェアは全部おすすめですが、寒ぶりはぜひみなさまに食べていただきたい」と自信を見せた。

ひな祭りのちらしずしニーズの高まりを受け、2022年に続くメニューの「祝の極上華ちらし」(2050円)は、販売期間が3月3~5日の限定商品。まぐろや真鯛、かに身やうなぎなどをふんだんに使用した。「2~3人前で、これらを家でつくるとなると、材料が高いのでこれ以上の値段になるのでは。豪華な食材をふんだんに使いました」(担当者)と、高級感を出した。数量限定で、上限に達した場合もあるという。

回転すしでは、迷惑行為の動画投稿が相次いだ。くら寿司は2011年に「抗菌寿司カバー」を導入するなどして安全・安心に取り組んできたが、同チェーンでも2019年の迷惑行為が確認されたという。

くら寿司では、流れるすしの品質や売上管理のために設置されているレーン上部のAIカメラシステムを使った迷惑行為の防止策を検討中だ。

物価高で財布のひもは固くなるが、担当者は「くら寿司では、レーンに流れているすしはお客さまに気軽にお取りいただけるように115円、80種類以上の商品で統一しています」と説明。回転すしの危機に着々と手を打っている。

価格は税込、一部店舗では価格が異なる。

(よろず~ニュース・杉田 康人)

© 株式会社神戸新聞社