売りは、昔ながらの苦味です。広島市の伝統野菜「矢賀ちしゃ」の収穫が、産地の矢賀地区で行われています。
広島市東区矢賀の住宅地の中に残る 飯田澄雄 さん(71)の畑です。矢賀ちしゃの収穫のピークを迎え、飯田さんと息子の和浩さん(40)が1株ずつ切り取っていきます。
特徴は、ふつうのサニーレタスより葉先が赤く、細かい縮れが多いこと。味も少し違います。
飯田澄雄 さん
「食べたら割と苦味がある野菜なんです。昔ながらの味がある。今、ほとんど改良された特徴のない野菜が多いからね」
これが、矢賀ちしゃの種です。飯田さんのしゅうとの代で一度、栽培が途絶えましたが、しゅうとが亡くなった後、農業を継いだ飯田さんが、県のジーンバンクが保管していた種を使って、20年前、復活させました。
飯田澄雄 さん
「矢賀で種をとって、矢賀で作って初めて『矢賀ちしゃ』という本物が残るんじゃないか」
収穫は来月まで続き、近くのスーパーの地元野菜のコーナーなどで販売されます。