3月31日 別れの春 十吾郎卒業 活動12年 最後まで元気な笑顔で 越後上越上杉おもてなし武将隊

 越後上越上杉おもてなし武将隊の足軽組頭、十吾郎が3月31日をもって、武将隊を出立(卒業)する。約12年間の活動を振り返り、最後の1カ月への思いを語った。
 十吾郎は武将隊が平成23年4月29日に発足した際から名を連ねる最古参メンバーの一人。大きな声と元気な笑顔が売りで、武将隊の活動を盛り上げてきた。コメディーリリーフとしての面だけでなく、演武での口上などでりりしい姿を見せてきた。

武将隊の〝元気印〟の十吾郎。出立のその時まで、変わらぬ笑顔を届けると誓った

 上越を発信するため、地元だけでなく全国へ出陣。各地の武将隊やゆるキャラたちと交流する機会も多かった。特に心に残っている出来事の一つが、平成27年3月14日の北陸新幹線開業日で、十吾郎は長野駅から新幹線に乗って上越妙高駅へ。「脇野田通り(自由通路)に降り立ったときの熱気は、自然と涙があふれた」と振り返った。
 イベント出演と同等以上に大切にしてきたのが、日々のおもてなし活動。〝本陣〟と位置付ける市埋蔵文化財センター(上越市春日山町1)で、来館者をもてなしたり、通り掛かった近隣住民と触れ合ったり。23日は長野県から訪れた親子連れと記念写真に収まった。「お見送りをしたり、手を振ったり。日々があったからこそ今に至る。本当にありがたい。残り少ないが、ぜひ本陣を訪れてもらいたい」と話す。

23日は〝本陣〟の上越市埋蔵文化財センターでおもてなし。来館者と記念撮影

◇あふれる〝上越愛〟本物 SNSで情報発信
 あふれる〝上越愛〟も本物。ツイッターやインスタグラムで投稿している「十吾郎15秒劇場」、ユーチューブでの「十吾郎156秒劇場」はそれぞれ15秒、156秒で上越の施設やイベントなどの紹介をまくし立てる。コロナ禍で活動が制限される中、展開したネット戦略の中でも人気企画となった。
 同じく創設時からのメンバーである上杉謙信は「唯一無二の存在で、縁の下の力持ち。どこでも笑顔、大きな声でいろいろな人を元気にしてきた。(卒業は)寂しいが、自身が決めた旅立ちを応援したい」と語った。
 武将隊は26日午後1時30分から、月一定期公演を観光物産センター(同市藤野新田)で行う。また、3月25日の月一定期公演で十吾郎の「出立式」を行う。十吾郎は「常に思いは変わっていない。最後まで元気な笑顔をお届けする」と誓った。

© 株式会社上越タイムス社