長崎大学発ベンチャー「株式会社Booon」 飼料原料ミルワーム養殖の「Worm Pod」開発に着手

株式会社Booon(代表:橋爪 海、本社:長崎県長崎市油屋町1-1)は、長崎大学情報データ科学部 小林透教授の研究グループと養殖飼料の原料となる昆虫(ミルワーム)を、環境への負荷が少なくかつ低コストで生産可能な、自律分散型育成装置「Worm Pod」に関する共同研究を開始しました。 養殖業が直面する課題であった飼料原料である魚粉の国際価格高騰へのソリューションとして、安全かつ安価な代替魚粉の安定供給を目指します。

水産養殖飼料の原料価格高騰が背景
飼料原料、特に水産養殖飼料においては、これまで魚粉が多く利用されてきました。しかし、新興国での水産物の消費量の増加に伴い、養殖の需要も世界的に激増していることに加え、昨今の国際状況の緊迫化によって魚粉価格は20年間で3倍以上までに高騰しており、魚粉の国際価格は過去最高値に達しています。また、魚粉の材料となる魚(主にカタクチイワシ)は天然資源であり、獲り過ぎによる枯渇は、他の海洋生物にも影響を及ぼします。
そこで、魚粉に代わる新たな養殖用飼料の原料として、注目されているのが昆虫です。しかし、魚粉に比較して、エサ代や、温度管理のための電気代、管理するための人件費等のコストが発生し、このコストの削減が課題となります。

■株式会社Booonが共同研究を開始
長崎大学発のスタートアップ企業:株式会社Booonは、長崎大学情報データ科学部 小林透教授の研究グループとの共同研究締結を機に長崎大学の関連部局と連携してこの課題の解決を図り、ビジネス化に向けた取組みを開始します。

▼株式会社Booonホームページはこちら
https://booon.co.jp

自律分散型育成装置「Worm Pod」
研究開発する「Worm Pod」は、コンテナタイプのコンパクトな装置で、IoTやAI、再生可能エネルギーによる高度な自律機能を備えており、遊休地を活用した持続的なミルワームの育成が可能です。内閣府ムーンショット計画目標5「2050年までに未利用の生物機能等のフル活用により、地球規模でムリ・ムダのない持続的な食料供給産業を創出」することに根差しており、消費地の近郊で原料となる昆虫を生産することで、(主な魚粉原産国であるペルーと比較した場合)フードマイルを従来の1000分の1以下に抑えることが可能となります。
株式会社Booonでは、原料となるミルワームの製造、加工、商品化、水産物の生産までを一元的に行います。

本プロジェクトは、長崎大学が2024年度をめどに進める、医歯薬学系を除いた理系の大学院を統合する構想の先駆けとして、異なる学問分野の融合による大学シーズ実用化のモデルケースとなることが期待されています。また、長崎県「ミライ企業Nagasaki」や長崎市「コッコデショ!」など、自治体のハンズオン支援を受けながら展開を進めています。

会社概要
株式会社Booon
代表:橋爪 海
本社住所:長崎県長崎市油屋町1-1
URL:https://booon.co.jp

お問い合わせ先
長崎大学 情報データ科学部 小林透研究室(担当:松田)
TEL:095-819-2577
Email:m.matsuda@nagasaki-u.ac.jp

本プレスリリースの詳細は以下の PR TIMES サイトをご覧ください。

© 長崎なう