全国の酪農団体で構成する中央酪農会議(東京)は24日、指定団体が生乳販売を受託する酪農家の戸数が2022年12月時点で前年同月比6.5%減の1万1202戸だったと発表した。これまで4%前後の減少が続いてきたが、ウクライナ危機や円安に伴う飼料高騰などで減少幅が拡大。野村哲郎農相は記者会見で「離農が進んでいることがはっきりした」と危機感を示した。
指定団体に生乳を出荷している酪農家は全体の約9割を占めており、中央酪農会議の調査で全般的な状況はおおむね把握できるとされる。野村氏は「特に北海道以外の都府県で例年に比べ減少率が拡大した」と指摘。北海道は4.0%減、都府県は8.2%減だった。
酪農はこれまでも高齢化や後継者不足を背景に減少傾向が続き、1年前の21年12月時点の調査での減少率は4.2%だった。
飼料高の問題は24日の政府の物価高対策の会合でも議論され、岸田文雄首相は「苦しい経営環境にある酪農や養鶏など幅広い農業者の負担軽減を図る」と強調。対策を講じるよう指示した。