座布団にちょこんと座る〝染付のイッヌ〟に7万人超がメロメロ 「かわいすぎる」「お犬様!」

ふわふわの座布団に座る犬(狆=ちん)を陶磁器の一種である染付で表現した作品がツイッターに投稿され、そのクオリティーの高さから「かわいすぎる」「ふかふかの座布団に乗ったお犬様!」「令和の匠を見た」などと注目を集めている。

たばこ入れや印籠等を着物の帯から提げるための留め具「根付」などをやきもので製作している由良薫子(@scp2saruco)氏は22日に「染付のイッヌ焼きあがりました。」とつづり、製作した陶根付を公開。鮮やかな青色が印象的な波模様の座布団の上で、毛並みがふわふわな狆がちょこんと座りこちらを見つめている。愛くるしい〝お犬様〟に多くの人がメロメロに。投稿から24日までで1.4万超のリツイート、7.8万超の「いいね」を獲得した。

由良氏は「現代の言葉を使った根付を作りたいと思い、ネットスラングの『犬をしまえ』を元に制作しました。モチーフについては、しまわれている犬=室内犬の狆を選んでいます」と説明。「犬をしまえ」は台風などの悪天候の時に使用されることから「狆の長毛を渦巻きにすることで狆を台風に見立て、座布団には青海波という波の模様を描くことで海に見立てて、海上の台風も表現しています」とこだわりを明かした。座布団裏には日本に近づく台風の図を描いた。

他の作品と並行して製作していたため、完成まで約1カ月を要した。大きさが幅4×奥行き4×高さ4(各センチ)と小さいため、狆の顔や毛並みなどを細かく彫り込むのに苦労したという。「毛並みは彫り込んだところに呉須(青い絵の具)をしみこませて陰影を出しています」と話した。

陶磁器にも関わず、犬の毛並み感や座布団のふわふわ感が伝わってくると好評だった。由良氏は「私が想像しているよりもそういった部分を見て取ってくださっていてうれしかったです」と喜びを語った。

同作は3月15日から金沢21世紀美術館で開催される「金沢卯辰山工芸工房作品展」で展示される。由良氏は「たくさんの方に見ていただけてうれしい限りです。今後の作品にも興味を持ってもらえたらと思います。また、少し作風が違う根付も3月10日から始まるアートフェア東京に出品しますので、ご覧いただけたらと思います」と呼びかけた。

(よろず~ニュース・松田 和城)

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