門司港路地裏アートスポット「ギャラリーgarland」【北九州市門司区】

2022年3月19日にグランドオープンした「ギャラリーgarland」。門司区清滝にある空き家をリノベーションして作られた「ガーランド内」にあるギャラリーです。

オープンからもうすぐ1年。この1年の活動と現在の様子を「ギャラリーgarland」オーナーの山下智世さんに取材してきました。

『garland』という名前に込められた想い

ガーランドとは、元々「花輪」「花冠」という意味をもっていて、まちを明るくするためにガーランドをまち中につけたいという運営者の人たちの想いからgarlandというネーミングが生まれたそうです。

また、『ga』は『我』、『land』は『土地』。「我らの土地」「みんなの場所」という意味も込められているとか。実際に、ガーランドの運者の人たちと近所に暮らすおばあちゃんたちとで古着を三角に切ってガーランドを作っているようです!なんともすてきなお話です。

アートと共に過ごせる空間

ガーランドは素敵なお庭と空き家をリノベーションして作られたギャラリー、カフェの3つのパートで構成されています。

開設当初は、イベント時に限定カフェを開催していましたが、ガーランドの空間や雰囲気にぴったり!と、来店者からの熱い要望もあり、山下さんがレギュラーメンバーとして、週末Cafeをオープンしつつ、ギャラリーの管理も任されることになったのだそう。

国内外さまざまな土地で多くの体験をしてきた山下さん、日本はアートへのハードルが高いと感じ、「もっと身近にアートを感じてほしい」「『アート浴』という言葉を流行らせたい!」と願う気持ちと、「garland」のコンセプトがマッチした心地よい空間が広がっています。

この1年をふりかえって

2022年3月にグランドオープンした後、「ひまわり画廊」の桃坂先生(ひまわり絵画教室主催者)と、その仲間との3人展を開催。フランスの街並みや静物画など、ヨーロッパの雰囲気を感じる作品が展示されていました。

5月には、現在は北海道で活動中の作家、泉谷サラさんが門司港での初の個展を開催。「遥かなる光のつらなり」と題して泉谷さんの醸し出す、清らかで愛溢れる作品が展示販売され、多くのファンが駆け付けました。

会期中、泉谷さんを囲んでのお話会も開催されました。

6・7月にはみはら美加、みはら優那さんの初のおやこ共演「母子ふたり展」を開催。日常の中でふと目にした風景や、ニュースなどからイメージを膨らませ、それぞれの世界観を表現されていました。

9・10月は、アルゼンチン出身の作家、マルセロ・ニカド氏の作品展が開催されました。

日本画の作風のようで実はマルセロ氏オリジナルのデザイン。現実と空想の間のキャラクター「マテときのこちゃん」が醸し出す愛おしさを感じる作品たちを、1部・2部入れ替え制で2カ月間展示販売。

会期中、アルゼンチンの文化にふれながら作品をより楽しむための会が開催され、マルセロさん自らが故郷のソールフード「チョリパン」と「マテ茶」を振る舞いました。

11月はエスドロ夢の漫画展。会期中、夢漫画読み聞かせ会が行われました。

12月は、門司港に人気アパレルショップを持つ人気アーティストshiro氏による自身初の個展「funny santa exhibithion」を開催。クリスマスシーズンにあわせた新作もたくさん展示されていました。サンタクロースの日常の1部を切り取ったような、くすりと笑えて、心があたたまるような愛溢れる作品に心動かされる人たちが多くいたとのことです。

筆者が一目惚れしたのは、展示会のフライヤーにもなっていた、サンタクロースたちが宝くじ売り場に並んでいる作品。関門海峡の夜景と門司港の街並みを思わせる構図がお気に入りで、自分へのクリスマスプレゼントとして購入しました。

作品との距離、作家さんとの距離の近さが大きな魅力

昨年3月のオープンから毎月必ず、お気に入りの作家さんの展示は何度も足を運んだ筆者。訪れるたびにアートの素晴らしさを感じました。

同店の良さは、作品との距離、作家さんとの距離がとても近いこと。そして、なんといってもその場所の雰囲気や空気感がとても心地よいこと。下見に来た作家さん達が、皆ここで展示をしたい!と感じる魅力がガーランドにはあるようです。

お店の詳細は「ギャラリーgarland」インスタグラムで確認できます。

■住所/門司区清滝4-4-6(門司港駅より徒歩約10分)
■営業日時/金・土・日・祝日の12:00~17:00
■駐車場/近隣に有料パーキングあり

※2023年2月25日現在の情報です

(ライター・kohalu.7)

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