強烈サーブに歓声 東京パラ銅メダルの菅野選手「たくさんの支えで頑張れた」 熊谷の小学校で講演

車いすテニスでラリーを披露する菅野浩二選手=24日午後、埼玉県熊谷市立江南北小学校

 埼玉県熊谷市立江南北小学校で24日、創立150周年記念式典が行われ、東京パラリンピックの車いすテニスで銅メダルを獲得した江南町(現熊谷市)立江南中学校出身の菅野浩二選手(41)=リクルート、上尾市出身=が講演した。菅野選手は「夢への挑戦」を演題に講演し、「不安があっても味方になってくれる人がいれば挑戦できる」と語った。

 菅野選手は上尾市立大石南小学校から江南中学校を経て、県立騎西高校(現誠和福祉高)に進学。高校1年の時にバイク事故で頸椎(けいつい)を損傷し、首から下に障害を負った。20歳の時に知人から競技用車いすを譲り受けて車いすテニスを開始し、四肢に重い障害のある選手を対象にした「クアード」と呼ばれる現在のクラスに転向。東京パラの混合上下肢障害ダブルスで銅メダルを獲得した。

 菅野選手は趣味で車いすテニスを続けていたが、東京パラ開催が決定し、本格的に競技に打ち込むことに。アスリートとして活動できる会社の制度も活用し、日本代表選手に選出。新型コロナウイルスの影響で東京パラは1年延期になったが、すぐに気持ちを切り替えた。「家族や友達、ファン、会社など、自分を支えてくれる人たちがたくさんいたから頑張れたし、メダルを獲得できた」と話した。

 車いすテニスについても説明。ルールや使用されるコートは一般のテニスとほとんど同じだが、2バウンド以内の返球が認められていることを紹介した。車いすテニスでラリーやサーブも実演し、巧みなチェアワークや強烈なサーブを披露すると、児童からは歓声が湧いた。児童代表も競技用車いすを体験した。

 菅野選手は「皆さんも何かに挑戦する時がいつかは必ずやってくると思うので、一人で悩まずに信頼できる人に相談してほしい」とエールを送っていた。

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