乙武洋匡氏、自身の政治塾出身28歳女性の千代田区議立候補を支援 自身は「出馬いたしません」

作家の乙武洋匡氏(46)が26日、都内で会見し、自身が開いた「未来をつくる政治塾」の塾生で、千代田区選(4月23日投開票)に無所属で立候補する元厚生労働省官僚で歯科医の富山葵弓氏(とみやま・あゆみ、28)を支援することを表明した。

2022年の参院選で東京選挙区から出馬し、落選した乙武氏。統一地方選の対応については「政治への思いはまだ消え失せていないし、たぎるものがあるけどお金が出てこない。出馬いたしません」と、政界再挑戦は否定した。「顔を出して応援していきたい。メディアに出づらくなるのは覚悟しているが、なんとか送り出したい、政治家になるという夢を叶えてあげたいという思いはある。気合を入れて応援していきます。全身全霊をかけて区政にチャレンジするのであれば、選挙に出馬するのではなく今回はサポート役に徹する」と、政界挑戦する塾生をバックアップする。

参院選で乙武氏を支えたボランティアスタッフ「チーム乙武」が再集結し、政治塾の1期生を全面支援する。富山氏は、東京歯科大在学中の交通事故がもとで右手、左足が不自由になった中途身体障害者。乙武氏は「同じ障害者として思うところ、重なるところがたくさんある。富山さんは健常者、障害者の2つの視点を持っている。たくさんの壁があるから、社会の仕組みを変えていくいくしかない。私より説得力を持って訴えることができる政治家になるのではないか」と太鼓判を押した。

JR飯田橋駅前で街頭演説デビューした富山氏は、事故に遭い意識不明で生死をさまよった壮絶な過去を告白。「想像しなかった困難が待ち受けていました。どんな状態で多数派から少数派になるかわからない。『あなたの人生はハズレです』と言われる、そんな社会を変えたい。選択肢を増やし、あきらめなくていい社会をつくりたい。日本の中心、東京の中心から社会の選択肢を増やす第一歩を踏み出せると信じています」と声を張り上げた。

(よろず~ニュース・杉田 康人)

© 株式会社神戸新聞社