茨城・常陸太田市 中学野球、地域移行へ 保護者らに説明 4月から

保護者らに説明する教育委員会の担当者=常陸太田市大里町

中学校部活動の地域移行を検討してきた茨城県常陸太田市は4月から、軟式野球について土日曜は「地域野球クラブ」として試行的に運営すると決めた。市立金砂郷中(同市大里町)で26日、市内の野球部員と保護者らを集め、説明会と合同練習が行われた。

中学校の休日などの部活動については、国や県の方針に基づき2023年度から段階的な地域移行が求められている。同市では部活動の現状や地域の実情を踏まえ、可能なところから試行的に取り組むため、関係者による検討委員会で準備を進めてきた。

少子化の影響で、市内中学校の野球部では学校単位でチーム編成できないケースが増え、最近の5年間では2~4校で合同チームを編成して大会に参加している。説明会では、市教委の担当者が部活動の現状や課題、地域移行の方向性などを説明し、クラブへの参加方法と手続きを提示。運営を行政主導で行っていく考えも示した。

野球部員の保護者、森山貴之さん(52)は「現時点でクラブの指導者が分からないことに少し不安はあるが、子どもたちのけがや心のケアを重視した計画だと感じた。他の生徒からの刺激も大切で、子どもの成長につながるのでは」と期待した。

市教委指導室の山崎誠室長は「土日曜の部活動の受け皿として行政主導で取り組む。生徒たちに十分な活動を保障するため、場所と時間、指導者などを確保したい」と話した。

市教委では部活動に関わる教職員とクラブの指導者との情報交換や、4月に入学する1年生の保護者への説明などを行い、5月の連休明けには全学年そろっての活動スタートを目指す。状況を検証しながら、他の部活動の地域移行も進めていく方針だ。

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