生田斗真 幼い姉妹の姿に葛藤しながらも停水を執行する姿 水道局職員役 「渇水」特報

生田斗真の主演、白石和彌のプロデュースによる、河林満の同名小説の映画化作「渇水」の、特報映像が公開された。

特報映像では、水不足の深刻化を伝えるニュースの音声とともに、照りつける太陽を見上げる主人公・岩切俊作と同僚の木田拓次が水道料金を滞納する家庭を訪れ、水道を停めて回る「停水執行」の様子が映し出される。そんな日々の中、岩切が出会ったのはたった2人だけ家に残された幼い姉妹。岩切は、県内全域で給水制限が発令される中、最後のライフラインである水道を停めてしまってもいいのか悩む。「停めるんですか、水道」と問う姉妹の真っすぐな瞳に葛藤を覚えながらも、岩切は規則に従い停水を執行する。映像の終わりには、「このままじゃダメなんだよ」と叫ぶ岩切の姿も収められている。

あわせて、ティザービジュアルも公開された。生田斗真演じる物憂げにうつむく主人公・岩切俊作の表情とともに、「渇いているのは、心でした――。」のコピーが添えられている。

新たに7名のキャストも発表された。姉妹の母親・小出有希役に門脇麦。主人公・岩切俊作の同僚で岩切とともに停水に回る木田拓次役に磯村勇斗、岩切の妻で息子を連れて実家に帰ったきり戻ってこない岩切和美役に尾野真千子が顔をそろえる。二人きりで家に残された姉妹を演じるのは、オーディションで選ばれた、しっかり者の姉・小出恵子役の山﨑七海と天真爛漫な妹・小出久美子役の柚穂。そのほかに、宮藤官九郎、池田成志が出演する。

「渇水」は1990年に文學界新人賞を受賞、103回芥川賞の候補にもなった、河林満の小説の映画化作品。孤独を抱えた水道局員とたった二人残された幼い姉妹の出会いをきっかけとしたヒューマンドラマとなっている。「凶悪」や「孤狼の血」シリーズなど、重厚な作品を作り続ける映画監督の白石和彌が初プロデュース。主演は、「土竜の唄」シリーズなどの生田斗真が務めている。監督は、岩井俊二監督作品「ラストレター」や、宮藤官九郎監督作品で助監督を務めた髙橋正弥。

新たに発表されたキャストのコメントも公開された。コメントは以下の通り。

■ 門脇麦(小出有希役)
母親の役というだけでまだ想像がつかない部分も多く、その役を遠く感じるものですが、さらにさらに遠い、私には理解が困難な役を皆様に支えていただきながら自分なりに手繰り寄せて演じました。 きっと今もどこかに存在する姉妹のお話です。 聞き飽きた綺麗事かもしれませんが、優しい世の中になってほしいと、演じながら改めて強く願う作品でした。

■ 磯村勇斗(木田拓次役)
脚本をいただいて読んだときに、この作品に参加したいと強く思いました。
水道局員を軸に、僕たちのライフラインである「水道水」を通して社会問題に切り込み、そこで出会う人々の葛藤に、僕は惹かれました。
人の心も渇いていく世の中で、何か生きる希望を届けられたらと思います。

■ 尾野真千子(岩切和美役)
とても気持ちが歯痒くなる映画です。
台本を読んだ時それぞれの気持ちがチクリチクリと刺さってポロポロと泣きました。
観てくださった人の心にも刺さりますように。

■ 山﨑七海(小出恵子役)
オーディションが決まった時は本当にびっくりしました。何度もオーディションを重ねて小出恵子を知っていくうちに、どんどんこの役が好きになっていって。なので参加出来た事が嬉しさでいっぱいでした。 岩切との出会いで姉妹が変わっていく、普通の姉妹とは違うけどどんな時でも助け合って生きていく姉妹を見てもらいたいです!

■ 柚穂(小出久美子役)
この作品は初めての長期間の撮影でしたが、現場の人や出演者の人がとても優しく仲良くしてくれたので、自然に「久美子」になることが出来ました。私にはお姉ちゃんがいないので、本当にお姉ちゃんが出来たみたいで嬉しかったです。 ぜひ「渇水」をたくさんの人に観てもらいたいです。

■ 宮藤官九郎(伏見役)
「最初に水道を止められる役は宮藤さんしかいないと思ってた」と力説された時には戸惑いましたが、 髙橋監督には数々の現場でずいぶん助けられましたので、俺でよければ水道止めて下さいと快諾しました。 とても切なく過酷な物語ですが、社会の理不尽を描くだけでは終わらない希望の光が見えた気がしました。 公開おめでとうございます。

■ 池田成志(佐々木課長役)
天候不順な時に天候不順な題材を撮るって、ホント世の中ままならないよなぁとか思いながら撮影に臨みました。短い期間の撮影でしたが、何か明確なようで、明確ではないものを演じる、難しさみたいなものを感じました。映画経験をもっと積みたいです。かなり結構前から知ってる斗真君と、初めて仕事したのも嬉しかったです。

【作品情報】
渇水
2023年6月2日(金)全国公開
配給:KADOKAWA
©2022『渇水』製作委員会

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