豪雨5年 タケノコ産地に活気戻る 倉敷・真備 初日は45キロ出荷

 倉敷市真備町地区で27日、春の味覚・タケノコの出荷が始まった。同地区に甚大な被害をもたらした西日本豪雨から今年で5年。被災し、地区外で暮らしていた生産者も徐々に戻り、岡山県内最大の産地は活気を取り戻しつつあるという。

 JA晴れの国岡山真備西支店の選果場(同市真備町有井)には、早朝に掘り起こしたばかりのタケノコが持ち込まれた。真備筍(たけのこ)生産組合のメンバーやJA職員が傷の有無や形をチェックし、格付けをしていった。

 同組合によると、2018年7月の西日本豪雨では組合員の半数ほどが浸水被害に遭い、農機具を失ったり、避難生活を余儀なくされたりしたが、出荷が途切れたことはなかった。蛭田純司組合長(73)は「出荷が続けられたのは真備のタケノコを楽しみに待ってくれた人たちのおかげ」と笑顔を見せ、「これからも伝統ある産地を維持、発展させるため、担い手確保に努めたい」と話した。

 真備町地区産のタケノコは保水性の高い粘土質の土壌で育つため、白くえぐみが少ないとされる。同組合では約120戸が約30ヘクタールで栽培しており、初日は45キロを出荷。夏場の少雨やここ最近の冷え込みで、出足は例年より1週間ほど遅いものの量、質ともに例年並みという。5月上旬まで、岡山市場を中心に送る。今年は昨年実績(約110トン)を上回る出荷量を目指す。

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