ニコ・ロズベルグ率いる初代王者RXR、クリストファーソン&コチュリンスキーを続投/エクストリームE

 ワンメイク電動オフロード選手権『エクストリームE』の創設初年度にシリーズを制覇し、翌年のシーズン2でもランキング2位を獲得しているロズベルグXレーシング(RXR)が、チャンピオンシップ3年目を迎えるシーズンに向けドライバーラインアップを発表。引き続きWorldRX世界ラリークロス選手権“5冠”のエース、ヨハン・クリストファーソンと、STCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権優勝経験者、ミカエラ-アーリン・コチュリンスキーの強力ペアを続投する。

 2016年F1ワールドチャンピオンのニコ・ロズベルグが率いるチームは、昨季11月にウルグアイで開催された『ナチュラルエナジーXPrix』で優勝剥奪の裁定を受けた瞬間、因縁の間柄でもあるルイス・ハミルトンのX44ビーダ・カーボン・レーシングにタイトルを明け渡し、連覇の栄誉を否定される苦い経験を味わった。

 その前戦となる第4戦では、チームは技術的な問題により初めてファイナルでのスタートに失敗。この不運も祟ってわずか2ポイント差でチャンピオンを獲り逃したふたりだが、RXRの走らせるオデッセイ21のスピードに疑いの余地はなく、スウェーデン出身ペアは昨季全5戦中で3回の予選最速をマークし、2勝を飾る実績を残してきた。

「ミカエラとヨハンが、もう1シーズンの契約を結んでくれたことをとてもうれしく思っているよ」と語った、チームの創設者兼CEOでもあるロズベルグ。

「双方のドライバーが有する経験と実績により、僕らは戦いの準備を整え、トラック上でエキサイティングなアクションを起こせることを願っている」

「昨年は残念ながら優勝トロフィーを持ち帰ることができなかったが、言うまでもなく今季は全力を尽くす予定さ」

 過去2年間で5勝、さらにWorldRXはもとより、地元のSTCCやイタリアのスーパースターズでのタイトル獲得記録も有するクリストファーソンも、このエクストリームEで初年度から続くRXRとのパートナーシップ継続を「とてもうれしく思う」と述べた。

2016年F1ワールドチャンピオンのニコ・ロズベルグが率いるチームは、創設初年度にシリーズを制覇し、翌年シーズン2でもランキング2位を獲得
「これまでの経験を活かして、例年以上に強くなって戻ってくることができると確信している」とヨハン・クリストファーソン

■コチュリンスキーはコンチネンタルタイヤのテストドライバーも継続へ

「これまでの経験を活かして、例年以上に強くなって戻ってくることができると確信している。何よりミカエラが次のシーズンに向け、僕の側にいてくれることはさらなるモチベーションだ。彼女はトラックの内外で素晴らしい人物であり、その成長と仕事への意欲に本当に感銘を受けているからね」

 僚友にそう言及されたコチュリンスキーは、昨季RXRへの合流以前にジェンソン・バトン率いるJBXEからシリーズに参戦。初年度はランキング3位を記録していた。

「昨年RXRに加入できたことは、私にとって夢の実現だった」と応じたコチュリンスキー。

「ヨハンとチームから多くのことを学んだし、また新たなシーズンに戻ってくることができて最高よ」

 そのチームメイトと同じくラリークロスでキャリアをスタートさせた後、2014 年にドイツの『フォルクスワーゲン・シロッコRカップ』で勝利した最初の女性となった彼女は、同じくADACのGTマスターズでGT3の経験も積んだのち、わずか4年後にSTCCのレースでも勝利。ここでもシリーズの歴史において勝利を飾った最初の女性ドライバーとして名を刻んだ。

 最後のSTCCフル参戦となった2021年には、年間4勝を挙げてランキング2位を記録したコチュリンスキーだが、昨季はエクストリームEでの活動に加え、中東で開催された女性限定ラリーシリーズの『ラリー・ジャミール』や、地元の『ポルシェ・スプリント・チャレンジ・スカンジナビア』を制し、北米からグローバル展開する『ナイトロ・ラリークロス(NitroRX)』のNRXネクストクラスでも3位を獲得している。

「ステアリングを握り、持てる力をすべて出し切るのが待ち切れない。エクストリームEの“シーズン3”もエピックなシーズンになるでしょうね!」

 そんな彼女はシリーズ創設パートナーであるコンチネンタルタイヤのテストドライバーも継続し、電動ワンメイク車両オデッセイ“e-SUV”用『クロスコンタクト』の開発を引き続き支援する計画だ。

「昨年RXRに加入できたことは、私にとって夢の実現だった」と応じたミカエラ-アーリン・コチュリンスキー
シーズン3開幕戦の『ネオムXPrix』は、3月11〜12日にサウジアラビアの近未来スマートシティ“ネオム”近郊で開催される

© 株式会社三栄