コロナ後見据え採用意欲旺盛 岡山で合同企業研究会

採用担当者らが事業内容などを説明した合同企業研究会

 2024年春卒業予定の学生を対象にした合同の企業研究会(山陽新聞社主催)が27日、岡山ドーム(岡山市北区北長瀬表町)で開かれた。新型コロナウイルス禍の収束を見据え、企業の採用意欲は旺盛。就職活動のオンライン化に伴って対面形式での開催が減少していることもあり、各社は多くの学生と直接話せる機会を生かそうと、働きがいや福利厚生の充実ぶりを熱心にPRした。

 岡山県内に本社や事業所を置く約100社・団体が参加。採用担当者は学生をブースに案内し、事業内容をはじめ新人教育や有給休暇制度などを説明した。

 ソフト開発などの岡山システムサービス(同市東区西大寺新地)は忠田雅孝社長が学生と対話し、「社員は一番の財産。スポーツなどの懇親会を積極的に開き、良い人間関係を築けるよう取り組んでいる」とアピールした。

 自動車部品など製造の倉敷化工(倉敷市連島町矢柄)は、厚生労働省から社員の子育て支援に積極的な企業「プラチナくるみん」に認定されていることを紹介。担当者は「ウェブの画面越しより学生の反応がよく分かる。自社の魅力をしっかり伝えたい」と話した。

 学生約330人が来場。関西大商学部3年生(21)は「岡山県へのUターン就職を希望している。オンラインでは分からない会社の雰囲気を知り、自分に向いた企業と出合えれば」とブースを巡っていた。

 政府主導の新卒採用ルールでは広報活動の開始を3月1日とするよう求めているが、優秀な人材を確保するため早期に選考を始める企業が増えていることなどから、実際は前倒し傾向が続いている。就職情報大手・ディスコ(東京)の調査では、学生の内定率は今月1日時点で23.8%(前年同期比3.6ポイント増)と、現行の日程になった16年以降で最高を記録している。

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